「俺ら冬休み、実家に帰るよな」
「うん、帰るよね」

 美味しそうにラーメンを食べている遥斗を眺めながら、一緒に食べているのが最近の癒しだった。一緒にいられるだけで幸せだった。遥斗には遥斗の予定があるだろうし、会えるのは冬休み明けか? でも、会えないの寂しいな。

「莉久くんは僕と会えなくて、だいじょうぶそ? 僕は、だいじょばないかも……」
「俺も」
「そしたらさ、冬休みいっぱい遊ぼうよ。もしも迷惑じゃなければだけど……」
「迷惑じゃないよ。一緒に遊ぼ?」
「でも、莉久くんと遊ぶって、何して遊ぼう」

 確かに何して遊べばいいんだろう。そもそも恋人できたの初めてだから、どうすればいいのか……。遥斗は本を読むのが好きだけど、俺はそんなに本を読むわけではないし。

「じゃあさ、僕たち、休み中もここに集まる?」
「遊ぶっていうか、いつもと変わらない感じだな」
「莉久くんと一緒にいられるだけで満足だなって、今思ったの。それに僕、あんまり遊ぶ場所知らないから」

 俺も、遥斗が隣にいるだけで満足で、癒されて、元気が出てくる。

「遥斗が楽しめそうな場所、探してみようかな」
「楽しみ! 莉久くんも楽しめる場所にしようね。莉久くんが楽しいと僕も楽しくなるから」
「そういえば俺、気になってた場所あるんだけど――」

 憂鬱だった冬休みも、楽しみになってきた。

 遥斗の笑顔がいっぱい見られるような〝冬休みお出かけ計画〟を立てたい。

――俺は、遥斗のことが心の底から大好きだ。

 気がつけば話に夢中になっていて、ずっと繋ぎっぱなしの手。一生その手を離したくないと思った。とりあえず、遥斗が何か言ってくるまで、手を繋いでいよう。