すると筆記用具を置いた梓が立ち上がる。



「ごめん、私お手洗い行ってくるわ」



「分かった」



お手洗いに行った梓を見送って、私はふと窓の外を見た。



私たちの二年生のクラスは窓から裏庭が見える。



二階だから少し大きい声なら、裏庭で会話する声だって聞こえたりもする。



梓を待っている間、窓から見える花壇の花を見ていた。



と言ってもまだ育て始めたばかりのつほみだから、まだ花弁は生き生きとしていない。



「ん?」



花壇に一人の男子生徒がやってきた。



「ああ!」



水やりに来た美化委員らしい。