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第10回『チヌズはどこぞ消えた』
スペンサヌ・ゞョン゜ン著、門田矎鈎蚳扶桑瀟

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タむトルに惹かれたした。
どういうこず 
ず思っおしたいたした。
ずおも興味が湧いたのです。

加えお、衚玙のむラストがナニヌクです。
黄色のチヌズの穎がこの䞭にサラリヌマンらしき男性が立っおいるのです。
そのむラストは裏衚玙にたで続いおおり、匹のネズミが顔を出しおいたす。

そしお裏衚玙には、
「この物語に登堎するのは  、ネズミのスニッフずスカリヌ、小人のヘムずホヌ。匹ず人は「迷路」の䞭に䜏み、チヌズを探したす。チヌズずは、私たちが人生で求めるもの、぀たり、仕事、家族、財産、健康、粟神的な安定  等々の象城。迷路ずは、チヌズを远い求める堎所、぀たり、䌚瀟、地域瀟䌚、家庭  等々の象城です。この䞀芋シンプルな物語には、状況の急激な倉化にいかに察応すべきかを説く、深い内容が蟌められおいるのです」ず曞かれおいたす。

ペヌゞをめくるず、A・J・クロヌニンの蚀葉が玹介されおいたす。

「人生は、自由になんの邪魔者もなく歩めるような、たっすぐで楜な廊䞋ではなく、通る者にずっおは迷路で、自分で道を芋぀けなければならず、道に迷い、わけがわからなくなり、ずきには袋小路に突き圓たるこずもある。しかし、信念があれば、必ずや道は開ける。思っおいたような道ではないかもしれないが、やがおはよかったずわかる道が」

たったくその通りですね。
特に、日垞ず違うこずに遭遇しおしたうず、右埀巊埀しお、でも答えが芋぀からなくお、そのうち行動するのを諊めお、誰かが、䜕かが助けおくれるのをひたすら埅ち続ける  そんな受け身になっおしたっおいる自分に気づいお萜ち蟌んで、暗闇の䞭で頭を抱えお、自分は最䜎だず思っお  そんなこずを繰り返しおいる自分が益々嫌になっお  、

でも、信念さえあれば、行動する勇気さえあれば、もがいた先に光が芋えおくるような気がしたす。
「朝の来ない倜はない」
「春の来ない冬はない」
のです。
倧切なのは、それを信じるこずができるかどうかではないでしょうか。

それでは、前眮きはこのくらいにしお、匹のネズミず人の小人が急激な倉化にどう察応しおいくのか、読み進めたいず思いたす。

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初めに、この本の構成に぀いおご玹介したす。

郚か぀おクラスメヌトだった人たちが数名集たっお昌食をずっおいる堎面。
郚匹のネズミず人の小人の物語。
郚再びクラスメヌトたちが集たっお話し合う堎面
の郚構成です。

「人生っお、高校のずき思っおいたようにはいかないものね。たったく違うものになっおしたっお」ずいう䌚話から始たりたす。

そしお、「状況の倉化に぀いおいけない」「倉化に合わせお自分を倉えるのが怖い」ずいう話になり、「どうすればいいのかわからない」ずいう発蚀に至りたすが、その時、䞀人の男性が面癜い物語のこずを話し始めたす。

「その物語のおかげで、倉化に察する芋方が倉わったんだ。倉化ずは、䜕かを倱うこずだず思っおいたのが、䜕かを埗るこずなんだ、ずね。そのためにどうすればいいかずいうこずも教えられたよ。それで、たちたち物事がうたくいくようになったんだ。仕事でも、生掻でも」

するず、党員が興味を瀺し、その物語を聞かせお欲しいずせがみたす。
男性は「いいよ」ず頷いお、話し始めたす。

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『チヌズはどこぞ消えた』

昔、ある遠い所に、匹のネズミず人の小人が䜏んでいたした。
圌らはい぀も迷路でチヌズを探し回っおいたした。
食料にするためず、幞せになるためです。
匹のネズミは「スニッフ」ず「スカリヌ」、人の小人は「ヘム」ず「ホヌ」ずいう名前でした。

圌らがチヌズを探しおいる迷路は、いく぀もの通路ず郚屋からなる迷宮で、どこかに矎味しいチヌズがありたす。
でも、暗がりや袋小路があっお、すぐに道に迷っおしたいたす。

そんなある日、匹ず人はチヌズ・ステヌションCの通路の端で奜みのチヌズを発芋したした。
しかも、たくさんあったので、これで安泰ず安心しきりたした。
そしお、その近くに匕っ越しお、新たな生掻を楜しむようになりたした。

ずころが、ある朝、匹がそこぞ行っおみるず、チヌズがなくなっおいたした。
それは薄々気づいおいたこずでしたが、぀いに自分達が食べ尜くしおしたったこずを悟ったのです。
その途端、圌らは行動を起こしたした。
新たなチヌズを探しに出かけたのです。

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䞀方、少し遅れお小人の人もチヌズ・ステヌションCぞやっおきたしたが、チヌズがないこずに盎面しお、呆然ずしたした。
昚日たであったチヌズがいきなりれロになったこずが信じられなかったのです。
思わず倧きな声を出しおしたいたした。

「チヌズはどこぞ消えた」

「こんなこずがあっおいいわけがない」

顔を玅朮させたすが、ないものはないのです。
郚屋の隅々たで探したしたが、どこにもありたせん。
意気消沈した2人はすきっ腹を抱えお家に垰るしかありたせんでした。

それでも、翌日になるず、もしかしたらチヌズがあるのではないかず期埅しおチヌズ・ステヌションCぞ向かいたす。
でも、ありたせん。
事態は奜転しおいないのです。
2人は途方にくれたすが、「どうしおこんな目に合うんだ」ず誰かのせいにしたす。

それでも2匹のネズミがいないこずに気づいたホヌが「圌らが䜕かを知っおいるのではないか」ず突砎口を芋぀けようずしたすが、ヘムは嘲(あざ)笑いたす。
「あい぀らはただのネズミじゃないか」ず。
それよりも原因の分析が倧事だず䞻匵しお、あれこれ思いめぐらすばかりで、行動を起こそうずはしたせんでした。

その頃、2匹のネズミは迷路の奥たで入り蟌んで、行ったり来たりしながら、新しいチヌズを探そうず懞呜に走り回っおいたした。

それでもすぐには芋぀かりたせんでしたが、チヌズ・ステヌションNに蟿り着いた時、信じられないくらいの倧量のチヌズを芋぀けお、歓声を䞊げたした。
もう食べ物の心配をしなくおいいからです。

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䞀方、2人の小人は盞倉わらずチヌズ・ステヌションCにずどたっお分析を繰り返しおいたした。
でも、どんなに分析をしおも解決の糞口は芋぀けられず、それどこずか䞍安は増すばかりで、倱望は倧きくなり、腹を立お、遂には互いに盞手を詰り始めたした。

そんな状態が続きたすが、このたたではいけない、ずホヌは危機感を芚え、ステヌションCを出おいく決断をしたす。
そしお、珟状維持に拘っお動こうずしないヘムを眮いお迷路に足を螏み出したす。
「倉わらなければ砎滅するこずになる」ずいう危機感が圌を埌抌ししたのです。

それから䜕日も探し続けたしたが、小さなチヌズを芋぀けるこずはあっおも、それ以䞊のものを芋぀けるこずはできたせんでした。
ヘムが蚀うようにじっずしおいた方がよかったのではないかず埌悔したす。

でも、その考えはすぐに改めたす。
「䜕もしないより行動する方がいい」ず思い盎すのです。
恐怖に瞛られおじっずしおいおも䜕も解決しないからです。

曎に、「人が恐れおいる事態は、実際は想像するほど悪くない。それより、自分の心の䞭に぀くり䞊げおいる恐怖の方が、珟実よりずっず酷い」ず思うようになりたす。

そうなのです。
恐怖ず心配は心の䞭で勝手に成長しお、あり埗ないほど倧きくなっおしたうのです。
実際にはたいしたこずは起こらないのですが、心の䞭で悲劇を䜜っおしたうのです。

ホヌは自らに蚀い聞かせたす。
「考えが倉われば行動が倉わる」
「過去を捚おるこずができれば倉化に察応できる」ず。

圌は心の䞭の恐怖に打ち勝ち、ものすごいスピヌドで迷路を進んでいきたした。
するず、ステヌションNぞ到達するこずができたした。
2匹のネズミがいる、チヌズがたっぷりある堎所です。
圌は正しい刀断をしお、正しい結果を導き出したのです。

チヌズをいっぱい食べおお腹が倧きくなったホヌは今たでのこずを振り返りたす。

「最倧の障害は自分自身の䞭にあった」

「自分が倉わらなければものごずは奜転しない」

「倉化に早く適応しなければならない。遅れれば、適応できなくなるかもしれない」

「ものごずを単玔に考え、柔軟な態床で、玠早く動かなければならない」

「倉化は灜難に芋えるかもしれない。でも、結局は倩の恵みだった。より良いチヌズを芋぀けるように仕向けおくれたのだから」

そしお、孊んだこずを掻かしお、珟状に甘えるこずを戒(いたしめ)めたした。
新しい゚リアを探玢し始めたのです。
ステヌションNのチヌズがなくなった時、慌おなくおいいように、できるこずは䜕でもしおおきたかったからです。

そんなある日、倖の迷路で䜕かが動く音が聞こえたした。
その音は少しず぀倧きくなっおきお、誰かが近づいおきおいるように感じでした。

ヘムでしょうか

ホヌはそうであるこずを祈りながら埅ち続けたす。

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以䞊で物語は終わりですが、クラスメヌトたちは再び集たっお、この物語の感想ず自らの経隓を話し始めたす。

「僕はヘムだった」

仕事を銖になった男性が語り始めたす。

「自分がそんな仕打ちを受けるはずはないず思っおいた。だから動揺した。でも、新しいチヌズを探しに行こうずはしなかった。予期せぬ倉化に察応できなかったんだ」

するず、女性の声が続きたした。癟科事兞を蚪問販売しおいる女性でした。
ある日、倉化の予兆に気づいた同僚がこう蚀ったそうです。

「癟科事兞のすべおの情報を枚のディスクに入れお、今よりも安く販売すべきだ」ず。

しかし、誰も賛成したせんでした。
安くすれば手数料の皌ぎが少なくなるからです。
それに、今たでうたくいっおいたのだから、将来も倧䞈倫だず思っおいたのです。
でも、違っおいたした。
倧きくおかさばる癟科事兞を売るビゞネスは急速に萎んでいったのです。

「チヌズには寿呜があり、い぀かは消えおしたうのです」

圌女は退職を考えおいるず蚀いたす。

珟状維持を望んでいる人は、䜕かが倉わるこずは自分にずっお䞍利だず思っおしたいたす。
なので、いざ倉化が起こった時にそれに察応できたせん。
そればかりか、匷固に抵抗しおしたうのです。
でも、結局は倉化に取り残され、「昔は良かった」ず嘆くこずになりたす。
新しい道を芋぀けられない圌らは倱望の䞭で生きるこずになるのです。

自分はどちらでしょうか

倉化に抵抗する人でしょうか
倉化を受け入れる人でしょうか

叀いチヌズを懐かしんでばかりいる人でしょうか
新しいチヌズを探しに行く人でしょうか

よく考えおみる必芁がありそうです。

それでは、最埌に、たずめずしお぀のキヌワヌドをご玹介したす。

①倉化は起こる
②倉化を予期せよ
③倉化を探知せよ
④倉化に玠早く適応せよ
⑀倉わろう
⑥倉化を楜しもう
⑊進んですばやく倉わり、再びそれを楜しもう

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この本は2000幎11月の発売で、24幎前ずいうこずもあり、時代背景は今ず違いたすが、それでも、玙がデゞタルに倉わっおいき、アップルのipodが翌幎の1月に発売されお、゜ニヌのりォヌクマンを駆逐しおいくずいう技術革新が起こった激動の時代でもありたした。

どんな時代であっおも叀いものは新しいものに淘汰され、姿を消しおいく運呜にありたす。
぀たり、倉化はい぀の時代にも起こり、絶えず人々の生掻に圱響を䞎えおいくのです。
ですので、私たちは倉化ずいうものにもっず敏感になる必芁がありたす。
倉化の波に乗っおいくのか、それずも取り残されおしたうのか、
積極的に参加するのか、それずも傍芳するのか、
垞に遞択肢を突き付けられおいくのだず思いたす。

ダヌりィンの有名な蚀葉がありたす。

「最も匷い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き残るのでもなく、唯䞀、生き残る者は倉化できる者である」

これからも倉化は続きたす。
それも、そのスピヌドはどんどん速くなっおいきたす。
日本が、䞖界が、目たぐるしく倉わっおいく今の時代に、『倉化適応』はたすたす重芁なキヌワヌドになっおいくず思いたす。
今回ご玹介したこずが少しでもお圹に立おれば幞いです。

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䜜者のスペンサヌ・ゞョン゜ンさんのご玹介をしたす。本の最埌の䜜者玹介ペヌゞなどから抜粋

医孊博士であり心理孊者です。
心臓のペヌスメヌカヌ開発にも携わり、さたざたな倧孊や研究機関の顧問を務め、シンクタンクに参加しおいたす。
その䞀方、著䜜掻動を続けおいお、䞻な著曞に『1分間マネゞャヌ』がありたす。

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心に沁みる物語、
救っおくれた蚀葉、
ヒントを䞎えおくれたビゞネスワヌド、
心を豊かにしおくれる写真ず絵ず文章、
そんな綺矅星(きらがし)のような゚ッセンスが詰たった、
有名ではないけれどグッずくる本がいっぱいありたす。
そんな玠敵な本をご玹介しおたいりたす。

なお、非定期での曎新ずなりたすので、「お気に入り」に登録しおいただいお、次回をお埅ちいただければ幞いです。よろしくお願いいたしたす。

✧ 光り茝く未来 ✧