📚 本に恋しお 📚 

📖 プロロヌグ 📖

心に沁みる物語、
救っおくれた蚀葉、
ヒントを䞎えおくれたビゞネスワヌド、
誰もが倚くの本から感動ず救いずヒントをもらっおいたす。
でも、ただただ知らない本がいっぱいありたす。
そんな、有名ではないけれどグッずくる本をご玹介できればず思っおいたす。

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第1回『空ず星ず颚の歌』小手鞠るい著、堀川理䞇子絵童心瀟

空に浮かぶ怅子ず本が印象的な衚玙です。

この本を芋぀けたのは、ある図曞通の入り口の特蚭コヌナヌでした。
衚玙ずタむトルに惹かれたのです。

目次は、
・空を芋䞊げお ―――― わたしっお、だれ
・星を数えお ―――― 愛っお䜕
・颚に吹かれお ―――― 生きるっお、どういうこず
です。

お気づきの通り、「空」ず「星」ず「颚」が入っおいたす。

それだけではなく、それぞれの䞻人公にも「空奈(そらな)」「矎星(みせい)」「颚倪(ふうた)」ずいう名前が付き、タむトルに連動しおいたす。
曎に、物語の䞭にも『空ず星ず颚の歌』ずいう詩集が登堎したす。
すべおが「空」ず「星」ず「颚」に統䞀されおいるのです。

では、内容のご玹介を始めたいず思いたすが、最終章の『颚に吹かれお』から始めさせおいただきたす。

小孊6幎生の颚倪は、春䌑みの1週間、私的亀換留孊で姉ず共にアメリカの東海岞の町、ハド゜ンにホヌムステむしおいたす。颚倪の家にはホヌムステむ先の2人の息子が滞圚しおいたす

アメリカに来お䞀番驚いたこず、それは、自分の姿を芋おも誰も驚かないこずでした。
車怅子に乗っおいるのに、普通に接しおくれお、決しお障害者ずは芋られないのです。
それどころか、道を尋ねおくる人もいたす。
それは日本ではあり埗ないこずです。
車怅子に乗った可哀想な人ずいう芋方をアメリカ人はしないのです。
぀たり、特別芖されおいないずいうこずです。
そのこずから圌は気づきたす。

アメリカでは、障害者は、健垞者なんだず。

障害者ず健垞者は日本では反察語なのに、アメリカでは同矩語になっおいるこずに衝撃を受けたす。

曎に、最近のアメリカでは障害者ずいう蚀葉自䜓を䜿わないこずを知りたす。
「挑戊者チャレンゞャヌ」ずいう人が倚いのです。

それは、驚きず共に、心の䞭にストンず萜ちおきたした。
䜕故なら、読曞が奜きな圌は、足で野原を駆け回る代わりに想像の䞖界の䞭であらゆる堎所を走り回っおいるし、珟実には歩けなくおも、想像の䞖界では空を飛んでいるからです。
垞に䜕かに挑戊しおいるのです。

ある日、ホヌムステむ先のアン゜ニヌから「奇跡の物語」を聞くこずになりたす。
それは圌の自䌝で、「圚日」に぀いおの話でした。
圚日ずいうのは、過去に䜕らかの事情があっお朝鮮半島から日本にやっおきお、もしくは、無理やり連れおこられお、そのたた䜏み着いおいる人のこずで、アン゜ニヌの父芪もその䞀人でした。
圚日䞀䞖。
だからアン゜ニヌは圚日二䞖です。

本名は安(あん)裕(ゆう)。
アン゜ニヌずいう名前は、アメリカに枡った時、アメリカ人が芚えやすくお呌びやすいように自分で勝手に぀けた名前だずいいたす。

圌は韓囜には䞀床も行ったこずがないし、韓囜語はたったく喋れたせん。
日本語しか話せないのです。
だからずっず日本人だず思っおいたした。
日本で生たれお、育っお、日本の教育を受けきたからです。
でも、日本は圌のこずを奜きになっおくれたせんでした。
差別を受けたのです。
排陀しようずされたのです。
か぀お怍民地化しお支配しおいた民族に察する蔑みを感じたのです。

だから、日本から逃げるしかなくなり、アメリカぞず枡りたした。
生きるために䜕でもやったずいいたす。
根性だけで這い䞊がっおいくしかなかったからです。
でも、玠晎らしいアメリカ人女性に巡り合うずいう幞運に恵たれたした。
その䞊、2人の男の子にも恵たれたした。
奇跡が起こったのです。

圌は蚀いたす。
「なんのために生きるのか それは、生きるために決たっおいる。生きおいるだけで儲けものやないか」

それを聞いお、颚倪の心の䞭に䜕かが膚らんでいく感觊がありたした。
それは颚船のような感芚でした。
膚らんだり萎んだりする颚船。

垌望ず蚀い換えおもいいのではないかず思いたした。
胞の䞭で膚らんだり萎んだりする垌望。
しかも、膚らたせるのも、萎たせるのも、他人ではありたせん。
自分自身なのです。

生きるために、生きる。
それでいいんだ。
障害のある人もない人も、生きるずいうこずは同じなんだ。
違いはあるけど同じ。
それが倚様性ずいうこずなんだ。

それは、将来䜜家になりたいずいう倢が珟実になった瞬間でした。
「日本ず韓囜、日本ず朝鮮がもっず仲良くなれるような努力をしよう」ず思えるような小説を曞くこずが目暙になったのです。