河原に着くと、定位置に腰を下ろした。目の前にはきれいな川の水が流れている。太陽に反射してキラキラと光る水が眩しい。風が吹くと川面の冷たい空気が頬に触れる。
「それでも暑いなぁ……」
僕はトートバッグから本とペットボトルを取り出す。ペットボトルのキャップを開けて、水を口に含む。
ごくっ。
冷たい水が体中を巡っていく。火照った体が少しだけ冷えていく感じがした。
ペットボトルを隣に置く。直射日光に当てると水がぬるま湯になってしまうから、日の当たらないところに置いた。
さて。読書の時間だ。僕は本を取り出し、昨日挟んだしおりのページを開いた。
どれくらいの時間が流れただろう。……といっても、30分から1時間くらいか。本の残りのページもわずかとなってきた。時間が経つのはあっという間だ。
僕は少しだけぬるくなった水を飲んでから、また本に目を落とそうとした瞬間。
ちりんちりん。
可愛らしいベルのような音が河原に鳴り響いた。思わず音の鳴る方を見る。そこにはワイシャツに黄色のパンツスタイルの女性が自転車にまたがっていた。
「やあ」
女性は僕の方へ片手を上げる。
『やあ』って、挨拶だよな? 僕に向かって言っている? いや、でも、僕はこの人のこと知らないし……。気付かなかっただけで、僕の近くに他に人がいたのだろうか。
「君に話しかけてるの。きょろきょろしない」
「え……。僕、ですか?」
「そう、君」
そう言って女性が自転車から下りる。ガチャンとスタンドを下ろし、自転車を河原の端に停めた。
「それでも暑いなぁ……」
僕はトートバッグから本とペットボトルを取り出す。ペットボトルのキャップを開けて、水を口に含む。
ごくっ。
冷たい水が体中を巡っていく。火照った体が少しだけ冷えていく感じがした。
ペットボトルを隣に置く。直射日光に当てると水がぬるま湯になってしまうから、日の当たらないところに置いた。
さて。読書の時間だ。僕は本を取り出し、昨日挟んだしおりのページを開いた。
どれくらいの時間が流れただろう。……といっても、30分から1時間くらいか。本の残りのページもわずかとなってきた。時間が経つのはあっという間だ。
僕は少しだけぬるくなった水を飲んでから、また本に目を落とそうとした瞬間。
ちりんちりん。
可愛らしいベルのような音が河原に鳴り響いた。思わず音の鳴る方を見る。そこにはワイシャツに黄色のパンツスタイルの女性が自転車にまたがっていた。
「やあ」
女性は僕の方へ片手を上げる。
『やあ』って、挨拶だよな? 僕に向かって言っている? いや、でも、僕はこの人のこと知らないし……。気付かなかっただけで、僕の近くに他に人がいたのだろうか。
「君に話しかけてるの。きょろきょろしない」
「え……。僕、ですか?」
「そう、君」
そう言って女性が自転車から下りる。ガチャンとスタンドを下ろし、自転車を河原の端に停めた。