「、、、て。八千代、起きて」
ゆさゆさと揺さぶられ、眠たい目を擦る。少し明るい光が見える。
「今日は四班が炊事担当でしょ?」
すいじ、炊じ、炊事!!
「寝坊した!!」ガバッと布団から跳ね起き、慌てて着替える。
「おぉぉおはようございま〜す!」
「はい、おはよう」
起こしてくれた皐月先生にお礼を言って、慌てて食堂へ向かった。
食堂にはすでに四人がいた。涼花は机のところで眠っている。
「さて、始めようか」
「おー!」
今日は休日なので、みんな来る時間がバラバラ。
「八千代は今日、何するの?」
自分達のご飯を食べていると、苺花に聞かれた。
「う〜ん、、、。何しようかな〜」
木の実集め?遊泳?それとものんびり散歩?いや〜、、、楽しみ〜。
「楽しむのは良いけど、宿題もちゃんとしろよ〜」朝食を食べ終えた誠一が思い出したように言った。「あと半分しかないんだから」
半分というのは、夏休みの残り期間か、宿題の残りの量か、、、。


「この数字を移行し、移行したら符号が変わるから―――」
悠先生に頼み込んで勉強を教えてもらってます。教え方は正直言って、高校の数学担当の先生より分かりやすい。
「眠い、、、」
「おい、悠陽!そろそろ帳面を開けなさい」
(かわや)行ってきまーす」
悠陽はそそくさと厠に入ってしまった。
厠に悠陽が入って数十分が経過した。未だ悠陽は出てこない。教室で同じように特別授業を受けていた七基もいつの間にかいなくなっていた。
そして―――
ガラッと学び舎の戸が開いたと思ったら、七基と、縄で縛られている悠陽がいた。悠陽は七基の肩に担ぎ上げられている。
誠一はうわぁ、、、と声を漏らし、琥珀と夜鷹はお腹を抱えて爆笑している。
悠陽は厠の窓から外へ行き、その脱走に気付いた悠先生が七基に許可を出し、確保しに行ったということは、その場にいた全員が悟った。
悠陽は七基と戦ったのだろうか、服が汚れている。
きっと、怪我は治してくれたのだろう。
「皐月先生に見付からなくて良かったね」
「掃除手伝わされる、、、。せっかくの休日なのにね〜」
全く反省してなかった悠陽は悠先生によって鴨居(かもい)に特別授業が終わるまで吊るされていた。