「悠先生酷い、、、結局全員捕まるし、、、」
「それな〜!鬼こわ〜」
「はぁ、、、午後は自習が良いな、、、」
なんて級友達と言っていたら、午後の演習は自習になった。
「いやった〜!!」
午前は座学、午後は演習。座学は上級生と下級生は別々だが、午後は混合!
「何で自習なんだろ〜ね」釣床に腰掛けながら悠陽が言う。
「先生なりの謝罪なのかもしれないね」
「謝罪?」
「悠センセー何かしたのー?」
「悪いことー?」
七基の言葉に興味津々の楓と涼花。
何か知っているように微笑む七基から何を考えているのか見破るのは、先生でさえも不可能。
「さて、彫刻に適した木でも探そ―――」
「七基ぃぃぃ!!」
草滑りをしながら猛スピードで突進してくる夜鷹(よだか)の肩を七基が押さえ付けて止める。
「あ、、、ありがと、、、流石、熊を素手で倒せる七基」
七基の得意な術は治療術なのだが、体術は悠先生とほぼ互角の強さ(少し悠先生の方が強い)。でも、クナイを投げただけで木を破壊出来る凪先生にはやっぱり勝てないらしい。
それでもこの前、下級生を助けようとして熊を返り討ちにしていた程、強い。
「アハハハッハハ」お腹を抱えて草むらから現れたのは琥珀。
「途中からむせてるけど、、、大丈夫なの?」
「アハハ馬鹿だろ、あ、、、」
足元がふらついて思いっきり後ろに倒れた。
「琥珀が倒れたー!」
「大丈夫ー!?」
倒れている琥珀を覗き込む楓と涼花に「良いよ、気にしなくて」と呆れながら悠陽が言った。
「琥珀、今何て言った?」
「待って、ギブギブ!!」
琥珀に片羽絞めをお見舞いする夜鷹。夜鷹は笑みを浮かべている。
「良かったじゃないか、琥珀。これが七基なら死んでたね」
「僕はそんなことしないよ、、、」

その後、草滑りしていなくなった夜鷹を追いかけてきた下級生に琥珀は救助された。