バーン。
不意に、大きな音が演習場の方から聞こえた。
色鮮やかな線が暗い空の上を描く。
「花火だ!」
みんな花火に釘付けになる。ずっと見ていても飽きない夏の風物詩。
「綺麗だね〜!」
「悠先生が作ったのかな?」
「たーまやー!かーぎやー!」
花火は数分続き、終わった。
「夏が終わった、、、」
「始まったばかりだけどね」
「上級生はもうすぐ夜間演習だもんな〜!」
忘れていたことを思い出して声にならない呻き声を上げる。
(思い出したくなかった、、、)

「あ〜、楽しかった、、、」
布団に埋もれるようにして体を布団に沈める。
夏休みの宿題という単語が頭の中を駆け巡るが、面倒臭い。
明日しよう。
そうして夢の中へ落ちていった。