「何する?」
取り敢えず演習場に来たが、特にやることがない。
「かけっこ!」
「魚釣り!」
元気に意見を言い合う二人。
「何でだよ〜!魚釣りは昨日したじゃんか!」
「だって、数匹しか釣れなかったんだもん」
、、、悲しくなってきた。
(今まで一匹も釣れたことないんだけど、、、)
「楓が川下まで行くって言ったから付いて行ったのに、夜になっても戻らなかったから皐月先生に怒られた!」
「ちょ、、、涼花!そんなこと言っちゃダメだって!謝ろうよ」
「付いて来なけりゃ良かったじゃんか!涼花が悪い!」
「楓だって、涼花の押し花破ったじゃない!」
「その前に涼花がオレの梅干し取った!楽しみにしてたやつなのに!」
さっきまでの仲良しコンビは何処へ行ったのか、喧嘩しだしてしまった。、、、どうしよう。
二人が喧嘩するなんて滅多にないのに、、、。
アワアワと何て仲介に入ったら良いのか分からない。
「もう涼花なんか知らない!」
その言葉を吐き捨てて楓は何処かへ飛んで行ってしまった。
「か、、、楓!待って!」
急いで追いかけるかが、楓の得意な術は、方向狂わせの術。それに加え、下級生と上級生を合わせたみんなの中で一番足が速い。
すぐに見失ってしまった。
「あ、、、」
「、、、」
せっかくの青空。午後は三人で楽しく遊ぶつもりだったのに、、、どうしてこうなったんだろう。
「楓なんか、、、知らないもん」
「、、、」
大粒の涙を流しながら下を向く涼花の頭を軽く撫でる。
「涼花はどうしたい?」
「、、、八千代ちゃんと遊ぶ」
「楓は!?」
「、、、帰って来ないもん」
どうしよう。想像していなかった状況なんだけど、、、。皐月先生に相談するか!
「で、喧嘩したけれど中々仲直り出来そうにない?」
「、、、はい」
納屋の所にいた皐月先生に今までの経緯を話した。顎に手を当て、考えてくれるけど、皐月先生も中々良い案が思いつかないみたいだ。
「楓と涼花が喧嘩することは滅多にないからね、、、。私も正直驚いているよ」
「ごめんなさい、、、」しょんぼりと肩を落とす涼花を見て皐月先生は「謝らなくて良いよ」と優しくなだめる。そういうとこを見るとやっぱり先生なんだな〜と思う。
「涼花は楓と仲直りがしたい?」
「うん、、、。でも楓、怒っちゃったよ」
「そうだね。寝る時間になっても仲直りが出来なくて、一緒に寝るのが気まずかったら私の部屋においで」
下級生もひとり部屋だが、涼花と楓は仲良しだし、部屋を決める時、本人達の希望で一緒の部屋になっている。他にも慎と仁も一緒の部屋だ。
その頃、楓は演習場に戻って来ていた。
「、、、いない」誰もいない演習場を見て呟く。
少し言い過ぎてしまったので謝りたいが、怒って泣かせてしまった以上、自分から謝りに行くのは勇気がいる。きっと、許してくれない、、、。
「あれ、楓?どうした暗い顔して?腹でも減ってるのか?お土産いるか?」
ポツンと立っていた楓に声をかけたのは上級生の誠一。彼は八千代達より一歳年上で、夏休みということで帰って来ていたのだ。
ゴゾゴゾと風呂敷から瓶に詰められた梅干しを取り出し、楓に渡す。
「梅干し、好きだっただろう?」
「うん。ありがとう、、、」
好きな物をもらって嬉しいが、涼花のことが気がかりで喜べない。
「、、、ひとりか?何時もは涼花も一緒なのに」
「喧嘩した」
「なるほどな〜、、、」
近くの木の上に腰掛けながら喧嘩したことを話す。
「喧嘩して、怒って、泣かせてしまった。そのことについては反省しているんだろ?」
「うん。だから近くに咲いてたアゲラタム渡そうと思って、、、」
楓の右手にはしっかりと握られた数本のアゲラタム。
「、、、大丈夫。お互いの気持ちをしっかり言えば何も問題ない」
「うん。オレ、、、謝ってくる」
楓は決心したように木から飛び降り、長屋目掛けて走り出しす。
「相変わらず速いな〜、、、」
走り去る楓を見送りながら誠一はそんなことを口にした。
取り敢えず演習場に来たが、特にやることがない。
「かけっこ!」
「魚釣り!」
元気に意見を言い合う二人。
「何でだよ〜!魚釣りは昨日したじゃんか!」
「だって、数匹しか釣れなかったんだもん」
、、、悲しくなってきた。
(今まで一匹も釣れたことないんだけど、、、)
「楓が川下まで行くって言ったから付いて行ったのに、夜になっても戻らなかったから皐月先生に怒られた!」
「ちょ、、、涼花!そんなこと言っちゃダメだって!謝ろうよ」
「付いて来なけりゃ良かったじゃんか!涼花が悪い!」
「楓だって、涼花の押し花破ったじゃない!」
「その前に涼花がオレの梅干し取った!楽しみにしてたやつなのに!」
さっきまでの仲良しコンビは何処へ行ったのか、喧嘩しだしてしまった。、、、どうしよう。
二人が喧嘩するなんて滅多にないのに、、、。
アワアワと何て仲介に入ったら良いのか分からない。
「もう涼花なんか知らない!」
その言葉を吐き捨てて楓は何処かへ飛んで行ってしまった。
「か、、、楓!待って!」
急いで追いかけるかが、楓の得意な術は、方向狂わせの術。それに加え、下級生と上級生を合わせたみんなの中で一番足が速い。
すぐに見失ってしまった。
「あ、、、」
「、、、」
せっかくの青空。午後は三人で楽しく遊ぶつもりだったのに、、、どうしてこうなったんだろう。
「楓なんか、、、知らないもん」
「、、、」
大粒の涙を流しながら下を向く涼花の頭を軽く撫でる。
「涼花はどうしたい?」
「、、、八千代ちゃんと遊ぶ」
「楓は!?」
「、、、帰って来ないもん」
どうしよう。想像していなかった状況なんだけど、、、。皐月先生に相談するか!
「で、喧嘩したけれど中々仲直り出来そうにない?」
「、、、はい」
納屋の所にいた皐月先生に今までの経緯を話した。顎に手を当て、考えてくれるけど、皐月先生も中々良い案が思いつかないみたいだ。
「楓と涼花が喧嘩することは滅多にないからね、、、。私も正直驚いているよ」
「ごめんなさい、、、」しょんぼりと肩を落とす涼花を見て皐月先生は「謝らなくて良いよ」と優しくなだめる。そういうとこを見るとやっぱり先生なんだな〜と思う。
「涼花は楓と仲直りがしたい?」
「うん、、、。でも楓、怒っちゃったよ」
「そうだね。寝る時間になっても仲直りが出来なくて、一緒に寝るのが気まずかったら私の部屋においで」
下級生もひとり部屋だが、涼花と楓は仲良しだし、部屋を決める時、本人達の希望で一緒の部屋になっている。他にも慎と仁も一緒の部屋だ。
その頃、楓は演習場に戻って来ていた。
「、、、いない」誰もいない演習場を見て呟く。
少し言い過ぎてしまったので謝りたいが、怒って泣かせてしまった以上、自分から謝りに行くのは勇気がいる。きっと、許してくれない、、、。
「あれ、楓?どうした暗い顔して?腹でも減ってるのか?お土産いるか?」
ポツンと立っていた楓に声をかけたのは上級生の誠一。彼は八千代達より一歳年上で、夏休みということで帰って来ていたのだ。
ゴゾゴゾと風呂敷から瓶に詰められた梅干しを取り出し、楓に渡す。
「梅干し、好きだっただろう?」
「うん。ありがとう、、、」
好きな物をもらって嬉しいが、涼花のことが気がかりで喜べない。
「、、、ひとりか?何時もは涼花も一緒なのに」
「喧嘩した」
「なるほどな〜、、、」
近くの木の上に腰掛けながら喧嘩したことを話す。
「喧嘩して、怒って、泣かせてしまった。そのことについては反省しているんだろ?」
「うん。だから近くに咲いてたアゲラタム渡そうと思って、、、」
楓の右手にはしっかりと握られた数本のアゲラタム。
「、、、大丈夫。お互いの気持ちをしっかり言えば何も問題ない」
「うん。オレ、、、謝ってくる」
楓は決心したように木から飛び降り、長屋目掛けて走り出しす。
「相変わらず速いな〜、、、」
走り去る楓を見送りながら誠一はそんなことを口にした。