なんやかんやあり、、、。
「えー、一学期も終わりましたが、えー、怪我のないように気を付けるように、えー」
一学期も今日で終わり。
校長先生の話は長く、殆どの生徒が右から左に流れていっている。友達と小声で話したり、えーの数を数えている生徒もいる。

「じゃあ、またね〜」
「バイバーイ、奈留ちゃん」
「また二学期!」
学校が終われば家に帰り、明日の用意をする。明日からは里に帰り、まったりするのだ!
「服と宿題と巻き物の(いち)と弐、それとおやつ、、、」
「下級生の時の夜間演習の時のワクワク感を思い出すよね〜」
「分かる。楽しかったな」

翌日。太陽がまだ昇っていない時間に起こされた。
時計の針は四時を指している。
「ほら、もうすぐ家を出ないと昼までに里に着かないぞ」
「う、、、」
琥珀に無理やり起こされ、眠たい目を擦りながら用意をする。
里の外出着に着替え、ご飯を食べる。
「よーし、行くぞ」
「眠い、、、」
「おー!」
バスを乗り継ぎ、少し歩いて辿り着いた場所は山の麓。
少しでも道を間違えると里に辿り着けないので、間違えないように進んで一時間が経った頃、ようやく開けた場所に行けた。
太陽は高く昇っている。
「疲れた、、、」
「里に帰るのもひと苦労」
「もうヤダ、寝たい」
そんな愚痴を言っていると私達に気が付いた悠先生と皐月先生が私達の方へ来た。
「久しぶりだな。元気にしていたか」
「元気でーす」
「疲れた、疲れた、砂糖水飲みたい」
「オレは釣床(ハンモック)で寝た〜い」
丘にある釣床は悠陽お手製。なんなら自室にもある。どれだけ寝たいんだろう。
自室で荷解きをしていると、勢い良く誰か入ってきた。
「びっくりした?」
「驚いた?」
入って来たのは涼花と楓。
「びっくりした〜、、、」
ドクドクと早まる心臓に手を当て、安堵のため息をつく。
「午後、一緒に遊ぼう!」
「楓、それとても良い考えだね!」
「へへん!」
下級生の会話を聞いているだけで心が温まる。
黒と桃色の肩出し着物を着た涼花。
上の着物には腕を通しておらず胸にサラシを巻いて黒色の膝上までの裁着袴、(すね)には包帯を巻いている楓。
二人は私と同じ班。
「涼花、髪伸びた?」
「うん!」
「オレは皐月センセーに切ってもらったんだ!」
「楓も伸びてた!?」
「伸びてるよ、、、」