一日目はレクリエーション。地図とコンパスを渡されてチェックポイントを通って戻ってくるというもの。
「、、、海斗くんが行方不明?」
悠陽の話に八千代は驚いて大声になるのを何とか抑えた。周りを見渡すが、どうやら聞こえなかったみたい。
(でも、海斗くんはみんなと一緒にカレーを食べているし、、、)
みんなとワイワイカレーを食べている海斗を見る。
「それ、変わり身の術」
「あー、、、」
「眠いね〜」
「八千代だけ残れば良かったのに」
「、、、それはやだ」
「夜目が効く琥珀も連れて来たけど、何か見える〜?」
「いや、、、」
呑気な会話を繰り広げているが、素早く木々の間を飛び移る姿はまるで忍びのよう。
「あ、、、」
距離が足りず、ついでに眠気のせいで八千代は落下してしまう。
一般的に木から落ちることは大怪我という認識があるが、彼らにとっては些細なことであり、あまり焦らない。
落ちた本人も受け身をとって無傷だ。
「あ、、、いた」琥珀が崖下を指差す。
崖下には怪我をして動けなくなっている海斗がいた。
倒れ込んで、意識がない。
「おい!起きろ!」
頬を数回叩いていると、うっすらと目を開ける。
「琥珀くんと悠陽くんと八千代さん、、、?」
海斗は何故か名前呼びだ。
「崖から落ちたのか!?」
「、、、高さ的に十メートルぐらいかな?」
高くも低くもない崖を見ながら悠陽がうへ〜と声を漏らす。
(里にも崖はあったけど、あまり怪我はしなかったな〜、、、。怪我をするなら受け身が取れなかった時?でも、捻挫とか打ち身だったし、、、)
「足首が骨折してるから、早く治した方が良いけど、、、」
三人は目を合わせる。そして目線だけで会話をする。
術を見せて良いのか、という問題だ。
掟のひとつに口外してはいけないというものがあるが、今は緊急事態なので腹をくくるしかない。
「みんなで折檻ね〜」
「そう言う悠陽こそ逃亡しないでね!?折檻受けるなら皐月先生が良い」
「分かる。あの先生は優しいけど、悠先生と凪先生は怖いよね〜鬼だよ〜」
「凪先生は里全体の責任者だもんね」
「よし、海斗くんだったか?これから俺達が言うこと、することは口外しないでほしいんだけど、、、」
意を決して琥珀が話し、骨折した箇所を二本指で叩いた。
あまりの激痛に声も出なかった海斗だが、骨折が治っていることに気付き、驚く。
「あれ、、、足が治ってる、、、?」
クルクルと足首を回すが痛みを感じない。
「琥珀って治療術も出来たんだ、、、。知らなかった」
「治療術って名前の割に痛いよね〜」
八千代と悠陽の会話に付いていけていない海斗が「え、、、治療術?」と琥珀に目線をずらす。
「場所までは言えないが、俺達は忍びの里から来たんだ」
「、、、は?」
「その里では高校入学の年齢になると一時的に里から出て、外の学校に通う。そうして卒業したら里に戻るという掟があるんだ」
「私達はその掟でこの高校に通っているんだよ〜!」
「そう、、、なんですね、、、。凄すぎませんか!?忍びって、、、格好良いじゃないですか!」
急に目を輝かせながら忍びの格好良さについて語る海斗。
そう、海斗は忍者オタクなのだ。
「忍術とか使ったりするんですか?見せて下さい!!」
「じゃあ、オレが見せるね〜」
無茶振りにはいはーいと手を上げて術を見せることになった悠陽。
悠陽はふっと息を吐くと、火が吹き出した。
「火遁の術を見せたのか、、、」
「まぁ、一番分かりやすい術だよね」
ちなみに、火遁の術は炎を出して対象物を燃やすだけの術なので、予め対象物を決めていない今は何も燃えない。
「、、、海斗くんが行方不明?」
悠陽の話に八千代は驚いて大声になるのを何とか抑えた。周りを見渡すが、どうやら聞こえなかったみたい。
(でも、海斗くんはみんなと一緒にカレーを食べているし、、、)
みんなとワイワイカレーを食べている海斗を見る。
「それ、変わり身の術」
「あー、、、」
「眠いね〜」
「八千代だけ残れば良かったのに」
「、、、それはやだ」
「夜目が効く琥珀も連れて来たけど、何か見える〜?」
「いや、、、」
呑気な会話を繰り広げているが、素早く木々の間を飛び移る姿はまるで忍びのよう。
「あ、、、」
距離が足りず、ついでに眠気のせいで八千代は落下してしまう。
一般的に木から落ちることは大怪我という認識があるが、彼らにとっては些細なことであり、あまり焦らない。
落ちた本人も受け身をとって無傷だ。
「あ、、、いた」琥珀が崖下を指差す。
崖下には怪我をして動けなくなっている海斗がいた。
倒れ込んで、意識がない。
「おい!起きろ!」
頬を数回叩いていると、うっすらと目を開ける。
「琥珀くんと悠陽くんと八千代さん、、、?」
海斗は何故か名前呼びだ。
「崖から落ちたのか!?」
「、、、高さ的に十メートルぐらいかな?」
高くも低くもない崖を見ながら悠陽がうへ〜と声を漏らす。
(里にも崖はあったけど、あまり怪我はしなかったな〜、、、。怪我をするなら受け身が取れなかった時?でも、捻挫とか打ち身だったし、、、)
「足首が骨折してるから、早く治した方が良いけど、、、」
三人は目を合わせる。そして目線だけで会話をする。
術を見せて良いのか、という問題だ。
掟のひとつに口外してはいけないというものがあるが、今は緊急事態なので腹をくくるしかない。
「みんなで折檻ね〜」
「そう言う悠陽こそ逃亡しないでね!?折檻受けるなら皐月先生が良い」
「分かる。あの先生は優しいけど、悠先生と凪先生は怖いよね〜鬼だよ〜」
「凪先生は里全体の責任者だもんね」
「よし、海斗くんだったか?これから俺達が言うこと、することは口外しないでほしいんだけど、、、」
意を決して琥珀が話し、骨折した箇所を二本指で叩いた。
あまりの激痛に声も出なかった海斗だが、骨折が治っていることに気付き、驚く。
「あれ、、、足が治ってる、、、?」
クルクルと足首を回すが痛みを感じない。
「琥珀って治療術も出来たんだ、、、。知らなかった」
「治療術って名前の割に痛いよね〜」
八千代と悠陽の会話に付いていけていない海斗が「え、、、治療術?」と琥珀に目線をずらす。
「場所までは言えないが、俺達は忍びの里から来たんだ」
「、、、は?」
「その里では高校入学の年齢になると一時的に里から出て、外の学校に通う。そうして卒業したら里に戻るという掟があるんだ」
「私達はその掟でこの高校に通っているんだよ〜!」
「そう、、、なんですね、、、。凄すぎませんか!?忍びって、、、格好良いじゃないですか!」
急に目を輝かせながら忍びの格好良さについて語る海斗。
そう、海斗は忍者オタクなのだ。
「忍術とか使ったりするんですか?見せて下さい!!」
「じゃあ、オレが見せるね〜」
無茶振りにはいはーいと手を上げて術を見せることになった悠陽。
悠陽はふっと息を吐くと、火が吹き出した。
「火遁の術を見せたのか、、、」
「まぁ、一番分かりやすい術だよね」
ちなみに、火遁の術は炎を出して対象物を燃やすだけの術なので、予め対象物を決めていない今は何も燃えない。