第一章 嫉妬の炎と、自分のできること
幼馴染のエット、アリードと一緒に冒険してきたカロリー。新しいパーティーメンバーも増え、注目の新人パーティーとなっていた三人だった。だが、カロリーは戦うことができなかった。剣士としての才も、魔法使いとしての才もない。荷物持ちとして二人の補助に徹していたが、ある夜、カロリーはついにエットから「追放」を言い渡される。「お金はいらない」「両親を探したい」「迷惑をかけない」と懇願するも、エットは「存在が迷惑だ」と言い切る。他のパーティーメンバーの姿が見えないことに不思議に思いつつも「他のメンバーも同じ気持ちか?」と問い掛ければ、頷くエット。諦めて了承したカロリーだったが、両親を探す夢は諦められず、どうにか探し続けられる方法はないか模索しはじめる。

第二章 始まりからさよならまで(回想)
両親はカロリーに「ちょっと出かけてくるから、お留守番よろしく!」と家を出ていく。6歳のカロリーを心配したエットの両親は、家へと誘ってくれた。寂しさを抱えながらも、エットと共に過ごすカロリー。ある日、隣町の貴族の娘アリードと二人は出会う。体が弱くてなかなか出かけられず、友人もいないアリード。二人に「友達になって」と誘う。カロリーはすんなりと頷き、エットはアリードを見つめて瞬きを繰り返していた。
三人で遊ぶようになったが、アリードは時々体を壊して寝込む。心配したカロリーが、チーズリゾットを持ってアリードのところへ訪れる。カロリーのご飯を食べるとアリードの様子が変わり、元気に。感謝してアリードは、カロリーに婚約の申し込みをするのだった。

第三章 追いかけてきた幼馴染
どこのごはん屋さんで食べても、美味しいが元気の出ないエット。少し後悔をし始めるが、アリードに脱退の意思を伝えられて、必死に引き止める。アリードの決意は深く、エットに吐き捨てるように「最低だよ、あんた」と言って去っていくアリード。
出店で食べながら歩くカロリー。旅の途中はだいたいが作り置きのもので、温かいものを食べられなかったことを思い出す。自分自身も、持ち運びできる携行食ばかりだった、と。途中で人にぶつかり、振り返れば、アリード。「カロリーを追いかけてきた!」と宣言するアリードに、自分では守れないと告げ、エットのところへ戻るように説得しはじめた。だが、アリードは一人でも、カロリーを守りながら旅をできると自分自身のアピールをする。試しに二人で出かけた先で、いつもより力を発揮するアリード。カロリーが不思議な顔をしていれば「エットを立ててあげてたの。機嫌悪くなるから」と一言。
 
第四章 得意なこと……料理?
アリードに守ってもらいながら旅をすることを決めたカロリー。自分に渡せるお金もないと、打ち上げれば「料理を食べさせてくれればいい」とアリードは微笑む。カロリーは、頷き、「料理を旅先で売って資金にするのはいいかもしれない」と閃く。アリードは、カロリーの料理にも、カロリーにも惚れ切っていたので賛同して、旅をすることを決める。街々の特産品を買って、次の街で料理して売ろうと決めたが、食品の持ち運びに悩む二人。背負える荷物には限りがあるし、日持ちしない食材の方が多い。