信寧王は、書類を机に上に置いた。

「分かった。青蘭の元へ行く。」

「あっ、いえ。それは……」

それも止めようとする忠仁。

「その……2日続けて、枕を共にするのは……」

続けてため息をつく信寧王。

「心配せずともよい。青蘭とは、枕を交わさない。」

「失礼しました。」

顔を両手で覆い、後ろに下がる忠仁。


信寧王の第2妃・青蘭は、元は緊張状態にあった隣国の姫だった。

ふとしたきっかけに、隣国と争いになり、勝利した信寧王。

落ち掛けている敵の宮殿の中で、信寧王は青蘭に一目惚れしたのだ。

半ば強引に連れて来た事を、青蘭は敵に凌辱される為と、勘違いしてかなかなか、心を開いてはくれなかった。

それでも、信寧王はいつかは、自分の事を見てくれると、尽くしてきたが、夜を共にする時は、人形を抱いているようで、だんだんと期待も薄れていった。

たまに青蘭の元へ訪れるのは、やはり一目で心落ちた女に、会う為だけだった。