次の日の夜。

信寧王の滞在は、1週間延期された。

黄杏と信志は、それから毎日、夜毎情事を重ねた。


「ねえ、信志。王はどうして、滞在を伸ばしたのかしら。」

「さあ……」

王本人である信志は、まさか黄杏と睦む為だとは、言えない。

「でもそのお陰で、信志とこうして会う事ができるわ。」

黄杏は、濡れた裸で、信志の体にまとわりつく。

「黄杏……」

信志も、情事が終わった時の熱い体で、黄杏を抱き締める。

水のような汗が、お互いの火照った身体を、冷やしてくれる。

「黄杏……実は……」

信志は、身体を起こして、自分の身の上を、明かそうとした。

「なあに?」

だが、純粋な黄杏を見ると、言葉が出て来ない。

「いや……何でもないんだ。」

再び、信志は黄杏の横に倒れた。

「気になるわ。何?教えて?」

「うん……」

言ってしまえばいい。

だが、それで何もかも壊れてしまったら?

信志は、悩みの窮地にいた。