台所にいる黄杏はと言うと、今日も配膳の準備だ。

「終わり!美麗、お願い!」

「はーい。今日もお疲れさま。」

美麗が王のお膳を持って行くと、台所には一息つく時間ができる。


「はぁーあ。」

慌ただしく配膳の用意をした黄杏も、床に腰を降ろした。

「そう言えば黄杏。最近、客人と逢い引きしてるんだって?」

「えー!うっそー!!」

黄杏の周りに、女達が集まってくる。

「どんな人?」

「うん。王様の家来みたい。」

黄杏は、恥ずかしそうに答えた。

「いいなぁ。上手くいけば玉の輿じゃん。」

女達は、途端にお腹を空かせた動物のような顔になる。


「王様の妃にはなれないけど、中央の役人の愛人にでもなれないかね。」

「愛人……」

黄杏は、女達の変わりように、呆れる。

「だってさ。見た?あの男達。村の男とは違って、むさ苦しくないし。何より高貴な顔立ちしてるじゃない!」