「さあ!待ちに待った宴の時間だ!娘達!せっかくの好機を、逃すなよ!」

村長が、条件に合う娘達を、一人一人励ます。

「お食事をお持ちします。」

出来上がったお膳を、黄杏が持ち上げた時だ。

「おっと、それは王のお膳か?」

村長が黄杏の元へ、やっていた。

「そうです。」

「よし。このお膳は、美麗が運びなさい。」

「はい。」

美麗は村長に言われ、黄杏からお膳を奪った。

「任せてちょうだい、黄杏。」

勝ち誇った顔で、王のお膳を持って行く美麗。

それでも、黄杏は知らぬ存ぜぬだ。


「黄杏、いらなくなった水を、捨てて来てちょうだい。」

「はい。」

小太りの女に言われ、黄杏は水の入った樽を持つ。

さっき持っていた王のお膳とは、雲泥の差だ。

「ここでいいか。」

戸を開け、草の上に水を捨てる黄杏。

その戸を閉めようとすると、向かいの大広間で行われている宴の様子が、目に入ってきた。