歴代の王の中でも、特に智仁武勇に優れている信寧王には

ただ一つだけ、悩みがあった


それは齢35を過ぎても、跡継ぎに恵まれない事だった


正后・白蓮は、幼い頃に信寧王に嫁ぎ、王を支えていたが

子に恵まれず38歳になっていた


次に迎えた妃は、攻め滅ぼした隣国の姫君・青蘭

王はその色気に夢中になったが、10年経っても心を開かず

子はできない


次に妃に迎えたには、家来の娘・紅梅

王を慕い、武道に長けた身丈夫だが、未だ子供はできなかった