「もー、人生ってなんなの。もういや、やめたい。いつまで続くの?もっと自由に生きさせてよ!」
葉山咲薇(はやまさくら)はぶつぶつと小さな声でそう嘆いた。
そんなイライラを自分にぶつけながら学校からの帰り道をゆっくりと歩いた。ふと空を見上げると、ピンクと紫とオレンジの綺麗なグラデーションを飾る夕焼けの空が目に入った。立ち止まり、大きく息を吸う。不思議なことにさっきまでのイライラがなんだか少し和らいだような気がした。咲薇は再び歩き出す。
お、今日も空いてる!ラッキー!
思わず小走りで階段を降りた。
家とは間反対の寄り道コースである近所の土手の階段。私のお気に入りの場所なのだ。ここに座っている人は中々いないが、空いているとなんだか嬉しい。
暗くなるまでのほんの数分。何をするわけでもないが、ここに来るとなぜか落ち着いた。自分に問いかけたり、空を見てるとあっという間に時間が過ぎていく。そんな一時がとてつもなく好きだった。
私は下から三段目のところにゆっくりと腰をかけた。
はあー、今日も疲れたー。
「ねえ、時々ここによく座ってるよね?なんで?」
「ふえ?」
突然後ろから声をかけられ、自分でもよく分からない声が出た。思い切り振り返ると声の主の顔が至近距離にあった。
「わあ!!びっくりした!!!」
思わず立ち上がった。そんな驚く私を見て、その人は目を細めて柔らかに笑った。
「ごめんごめん、びっくりしたよね。驚かせるつもりはなかったんだけど...」
「あ、いえいえすみません!私、あの、こんなに近くに顔があると思っていなくて、びっくりしちゃって、あの、あの、ってびっくりしすぎですよね」
「いやいや、急に話しかけた俺も悪かったから!ごめんね」
「あ、いえ、そんな...」
立ち止まって見るとその人は色白で背が高くて、綺麗な顔立ちをしていた。くっきりとした二重にすらっとした鼻筋。芸能人かと思うくらいな雰囲気だった。
「隣、座ってもいいかな?」
下を指をさしながらそう言った。
「ああ!!はいもちろん!どうぞ!」
慌ててしまい声が少し裏返ってしまって恥ずかしい。え、でもなんで声をかけたのだろう。ここにいちゃダメだったかな...。
「ねえ、君も座ってよ!ちょっと話さない?」
えええ、まって。どうしよう。急に緊張してきた。隣、座っていいのか。
「では失礼します...」
「フフ、どうぞって、俺がどうぞもおかしいか」
笑いが混じる優しさ溢れる声でそう言った。
葉山咲薇(はやまさくら)はぶつぶつと小さな声でそう嘆いた。
そんなイライラを自分にぶつけながら学校からの帰り道をゆっくりと歩いた。ふと空を見上げると、ピンクと紫とオレンジの綺麗なグラデーションを飾る夕焼けの空が目に入った。立ち止まり、大きく息を吸う。不思議なことにさっきまでのイライラがなんだか少し和らいだような気がした。咲薇は再び歩き出す。
お、今日も空いてる!ラッキー!
思わず小走りで階段を降りた。
家とは間反対の寄り道コースである近所の土手の階段。私のお気に入りの場所なのだ。ここに座っている人は中々いないが、空いているとなんだか嬉しい。
暗くなるまでのほんの数分。何をするわけでもないが、ここに来るとなぜか落ち着いた。自分に問いかけたり、空を見てるとあっという間に時間が過ぎていく。そんな一時がとてつもなく好きだった。
私は下から三段目のところにゆっくりと腰をかけた。
はあー、今日も疲れたー。
「ねえ、時々ここによく座ってるよね?なんで?」
「ふえ?」
突然後ろから声をかけられ、自分でもよく分からない声が出た。思い切り振り返ると声の主の顔が至近距離にあった。
「わあ!!びっくりした!!!」
思わず立ち上がった。そんな驚く私を見て、その人は目を細めて柔らかに笑った。
「ごめんごめん、びっくりしたよね。驚かせるつもりはなかったんだけど...」
「あ、いえいえすみません!私、あの、こんなに近くに顔があると思っていなくて、びっくりしちゃって、あの、あの、ってびっくりしすぎですよね」
「いやいや、急に話しかけた俺も悪かったから!ごめんね」
「あ、いえ、そんな...」
立ち止まって見るとその人は色白で背が高くて、綺麗な顔立ちをしていた。くっきりとした二重にすらっとした鼻筋。芸能人かと思うくらいな雰囲気だった。
「隣、座ってもいいかな?」
下を指をさしながらそう言った。
「ああ!!はいもちろん!どうぞ!」
慌ててしまい声が少し裏返ってしまって恥ずかしい。え、でもなんで声をかけたのだろう。ここにいちゃダメだったかな...。
「ねえ、君も座ってよ!ちょっと話さない?」
えええ、まって。どうしよう。急に緊張してきた。隣、座っていいのか。
「では失礼します...」
「フフ、どうぞって、俺がどうぞもおかしいか」
笑いが混じる優しさ溢れる声でそう言った。

