この7区は箱根駅伝全体を揺する区間でもある……。11位の帝国学院大、15位の任典堂総合大学が驚異の巻き返しを図る。

 それはシード権……逆襲の火付けは7区から……任典堂は驚異の6人抜きで9位に。帝国は3人抜いて8位。

 20キロ過ぎ、東海道をまたぐ大磯跨道橋を上り切った平塚中継所目前の順位は青坂学院大、教立大、馬引沢大、真瀬田大、明和大、東京体育大学、聖和大、帝国大、任典道大、望洋大、太平洋大、関東学園。
 太平洋、関東学園がシード圏外へと弾き出された。


 青坂、教立の差は50秒。往路でのタイム差……それは総合優勝へのタイム差でもある。成宮、倉木は自分の役割(一歩)を噛みしめている。この一歩がチーム全体を分ける一歩だということを。オンラインで繋がった小さな奇跡(一歩)は、生涯忘れられない記憶となる事を。

 そしてもう一つの気がかりは『繰り上げスタート』。平塚中継所を青坂がリレーしてから21チーム目の関東学連通貨まで全てのチームが20分以内に通過、しかし17分以上の差が出ているチームが3チーム。
『シード権』と『繰り上げスタート』、この8区9区で死力を尽くす。