8:00。1位の関東学園大からスタートが切られる。

 関東、青空が勢いよく走り出す。次いで教立大30秒遅れでスタートを切る。更に教立より1分33秒差で青坂、青坂より遅れること1分57秒後に馬引沢……。

 青空が空木の作ったアドバンテージを使って逃げる。下り坂では後傾しがちだが、恐れず体幹を意識しながら着地はミッドフット。足の裏全体で接地の面積を大きく路面をグリップし膝のクッションを柔らかく使い、膝に重心を乗せては前へと身体を上手く支えながら走り抜ける。高反発の厚底シューズもしっかり足に馴染んでいる。
 青空もまた山下りの適性を持っていた。

 しかしライバル校たちもスペシャリストを送り込んでいる。国道1号線最高地点を過ぎる4キロほどで青坂が1分33秒差を跳ね返し2位浮上。昨年の6区区間賞神々隼人(みわはやと)、快走を予感させる。

 青空が下りに入る。重力を上手く使い体力を消耗させずにスピードを操る。持ち前の度胸の良さが良い方に出ている。

 それでも尚、神々の走りはその上を行く。早くも小涌園で青空を捉える。青空も想定内のように受けて立つ。

「来い、神々! 待ってたぞ!」