『富士山女子駅伝』のコースは、富士宮市と富士市を結ぶ富士山麓の高低差174メートルに及ぶ起伏にとんだ7区間・43.4キロ。全国の女子駅伝の中でも過酷なコース。

 1区は高校駅伝でアップダウンの多い4区を走った桐野江彩霞(きりのえあやか)、4年。
 1区4.1キロは、富士宮市の世界遺産、富士山本宮浅間大社をスタートし浅間大社を囲むように市内を周回する区間。距離は短いものの、20メートルの上り下りがある。
 そしてどのレースだって1区での主導権争いがレースを大きく左右する。

 鳥居の下、彩霞が好スタートを切る。スタート直後は地震だ。小さな震源の集合体である震源地は進みながら収まっていく。他の震源の揺れを感じ取っている内はまだ走れていない、身体が固い証拠だ。
 スタートしてすぐの左折、この左折が見るより厄介だ。大きな震源地をスルリと抜け出た彩霞は誰よりも早く左折に入る。男子にも負けないフィジカルは箱根駅伝の成果だ。

 聖和、過去最多優勝回数を誇る国命館、王者名古屋文化大のトップ争い。浅間大社をぐるりと周回する1区はまるで学校の外周を走る練習を思い起こさせる。

 第一中継所だ。


 トップで襷を渡したのは名古屋。次いで国命館、そして聖和。2区、6.8キロは、富士宮市から富士市へ入る高低差98メートルの長い下りに挑む。
 ここは高校駅伝の3区青虹空光(せいこくみ)〔4年〕が任される。

 3区3.3キロ 、呉宮里咲(くれみやりさ)〔2年〕、4区4.4キロは紫乃〔3年〕と距離の短いほぼ平坦なスピード区間へとリレーされる。この前半スピード勝負、その中で3区4区のが勝負のポイントとなる。
 2区からの順位そして5区への襷が5区(エース)への信頼と負担を預ける。