「第1位……真瀬田大学。記録10:33′27″……」
「第2位……東京文化大学。記録10:33′44″……」
「第3位……東邦国際大学。記録10:34′18″……」

 無機質にアナウンスされていく順位。発表の度に歓喜が沸き上がる。凡そ何位か予測できている。しかしこの発表をもって自他ともに認可される。

「第6位……聖和大学」
「……男子……」
「記録10:36′22″」

 一瞬、微妙な空気を挟んだのは仕方のないことだろう。聖和大初出場だ。一際大きな歓喜を轟かせる。希も煌司の手を取って祝福する。恐らく今季東京の最高気温をマークしたのではないかという盛り上がり。それも後4校を残すのみだ。

「第7位……関東学園。記録10:36′55″」

「よしっっっ!!!」

 光たちも勝ち名乗りを上げる。聖和と30秒差、力の差はない。希も小さく『よしっ』と拳を決める。希、千風、そして聖和女子たちが関東学園に心からの拍手を贈る。
 タイム的には10番以内に入っているはず。後はコールされるのを待つのみだ。それでも希の鼓動は速くなる。千風も箱根駅伝、その歴史が動く瞬間に緊張が隠せない。


「第10位……教立大学……記録10:37′52″」

本戦出場校10校が発表された……。



「何で…………」