青の書の朗読は、すでに5周目に入っていた。

所々覚えてしまって、見なくても読めるくらい。


冬服に変わり、徐々に肌寒さを感じる秋になった。


また、昨日最終章を読み終えてしまった。

何周目かもわからない青の書の冒頭をまた読み返す。


何度も何度も読んだ青の書は、白の書よりもすっかりシワが多くてなってしまっていた。


「『――と思った瞬間、僕はなにかを感じた。これが運命なのだろうかと。』」


もうすぐで、僕が好きなセリフ。


「『「ちょっと待って。僕は、この出会いをなかったことにはしたくない」勇気を振り絞り、僕は彼女に叫んだ。』」


僕は次のページをめくる。

そう叫んだ主人公に対し、そのあとヒロインの彼女はこう答える。


「「『「私も。今、同じこと思ってた」』」」


――え…?