「でも…、そのせいで清夏さんは事故に…」


僕は唇をギリッと噛む。

そんな僕の腕をやさしくさする清夏さんのお母さん。


「内海くんが責任を感じることはなにもないわ。むしろ、あなたに感謝してるんだから」

「…感謝?僕…に?」

「ええ。清夏、昔から友達作りが苦手で。大学に入ってからもほとんど友達の話なんてしてこなかったけど、内海くんと知り合えて本当にうれしかったんだと思う」


あの清夏さんが友達作りが苦手なんて…信じられない。

でも、実は僕と似たような境遇だったのだろうか。


僕はあの日帰ってから、清夏さんにどう思われていたのか気になっていたけど――。

そんなふうに思ってくれていたなんて。


「内海くんがさっき言ってた、清夏と会ったっていうのは…夢かなにか?」


清夏さんのお母さんに尋ねられ、僕はぎこちなくうなずいた。