僕の胸がドクンとなる。
――白い表紙。
間違いなく『白の書』だ。
* * *
「…失礼します」
僕は、受付前で偶然出会った中年の女の人に案内され、ある病室のドアを開けた。
ドア横のプレートには、【水嶋清夏】という名前が書かれてあった。
病室に入ると、規則的な機械音が鳴るモニターの横にベッドに横たわる女の人がいた。
ゆっくりと歩み寄り、顔をのぞき込んだ瞬間僕は息を呑んだ。
――それは紛れもなく、コタロウさんだった。
「…あの、コタロウさ……じゃなくて、清夏さんは今は眠っているんですか?」
僕は後ろに立つ清夏さんのお母さんのほうを振り返る。
すると、清夏さんのお母さんは眉を下げながら心苦しそうに首を横に振った。
「ううん。眠っているんじゃなくて、意識が戻らないの」
――白い表紙。
間違いなく『白の書』だ。
* * *
「…失礼します」
僕は、受付前で偶然出会った中年の女の人に案内され、ある病室のドアを開けた。
ドア横のプレートには、【水嶋清夏】という名前が書かれてあった。
病室に入ると、規則的な機械音が鳴るモニターの横にベッドに横たわる女の人がいた。
ゆっくりと歩み寄り、顔をのぞき込んだ瞬間僕は息を呑んだ。
――それは紛れもなく、コタロウさんだった。
「…あの、コタロウさ……じゃなくて、清夏さんは今は眠っているんですか?」
僕は後ろに立つ清夏さんのお母さんのほうを振り返る。
すると、清夏さんのお母さんは眉を下げながら心苦しそうに首を横に振った。
「ううん。眠っているんじゃなくて、意識が戻らないの」