――そして、7軒目。


「2週間前ですね。ええ、こちらに運ばれてこられましたよ」


受付の人にそう言われ、ようやく見つかったことへの安心と、同時に不安の波が押し寄せる。


「あ…あの、その事故にあって運ばれてきた人って、これくらいの髪の長さで――」


僕は身振り手振りで情報を伝えるが、受付の人は困ったように眉をひそめる。


「申し訳ございませんが、患者さまの情報をお伝えすることはできません」


…ああ、そうか。


少し冷ややかにも感じるその冷静な言葉に、ようやく僕の興奮状態も冷める。


「…それじゃあ、その人が無事かどうか…」

「申し訳ございませんが、そちらに関しましても患者さま情報になりますので」


…そんな。


僕は唇を噛む。


いつもの僕なら、ここですぐに引き下がることだろう。