数日後。

僕は決心した。


学校帰りに、青の書を入れたカバンを肩にかける。


『若い女の子が車に跳ねられたのよ』


ずっと気になって気になって仕方がなかった。

他のことを考えようとしたけどダメだった。


だから、確かめにいく。


僕は事故現場から近くの病院をまわった。

2週間前、交通事故で若い女の人が運ばれてきませんでしたか、と。


しかし、どこも空振りだった。


病院から病院へは、どこもそう近くはない。

体力に自信があるほうではなく、しかも西日が降り注ぐ夏空の下、自転車で何軒も病院をまわるのはそう簡単なことではなかった。


『水分補給くらいはちゃんとしたほうがいいよ』


コタロウさんの声を思い出して、カバンから天然水のペットボトルを取り出してひと口。

汗を拭い、次の病院へとペダルをこぎ出す。