結局その日、コタロウさんはこなかった。


…どうしたのだろうか。

あれほど、青の書を読むのを楽しみにしていたコタロウさんが今日をすっぽかすとも思えない。


なぜなら、僕だって今日白の書を読めるのを楽しみにしていたから。

きっとこの気持ちはコタロウさんも同じはず。


だとすると、…僕が日にちを間違えた?

“来週”と聞こえたはずだが、実際は“再来週”だったのだろうか。


そんなことをモヤモヤと考えながら家へと帰った。


このモヤモヤは、白の書と交換できずに残念という気持ちよりも――。


『ねぇ、また会おうよ』


もしかしたら、コタロウさんと会えなかったことに思いのほか残念がっていたのかもしれない。



それからまた1週間後。

再び僕は青の書を持って約束の場所へと向かった。