コタロウさんと不思議な出会いをした先週の土曜日から1週間――。

僕は青の書をカバンに入れ、家を出た。


向かう場所は、コタロウさんと約束をしたあの橋の下。

今日はそれぞれが持っている青の書と白の書を交換する日。


しばらく青の書が手元にないと思ったら寂しくて、結局あれから5回も読み返してしまった。

コタロウさんから借りる白の書を読むにあたっての復習も兼ねて。



橋の下に到着。


相変わらずここは僕の秘密の憩いの場で、今日もだれもいなかった。

コタロウさんもまだいない。


ぼくはいつもの定位置に腰を下ろし、コタロウさんがくるのを待った。

途中、静かなこの橋の下に救急車のサイレンが鳴り響く。


その後、30分たっても1時間たってもコタロウさんは現れなかった。


同じ時間でと約束したはずだが、僕が時間を間違えただけだろうか。