見ると、スマホの画面を見て固まるコタロウさん。


「どうかしたんですか?」

「見てっ、ただの読書垢さん!もうすぐこの辺りにすごい雨が降るみたい…!」


コタロウさんが見せてきたスマホの画面には、天気予報アプリの雨雲レーダーが表示されていた。

見ると、あと20分ほどで雨雲レーダーでいうと赤色で示された部分の雨雲がやってくるようだ。


「ごめん、ただの読書垢さん!わたし、帰るね…!」

「…えっ。でも、ここまできたらどこか雨宿りできる場所で続きを――」

「ダメなの!洗濯物、外に干しっぱなしで…。家族のみんな外出してるから、わたしが取り込まなくちゃっ」


…なるほど。

そういうことなら仕方ない。


「ほんと…ごめんねっ」

「気にしないでください。それよりも、早く家に帰ったほうが…」