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やってきた場所は、隣町とを隔てる大きな川にかかる橋の下。


近くのカフェはどこもいっぱいで、僕が女の人をここへ連れてきた。

実はここは、僕の憩いの場。


目の前にはゆったりと流れる川。

岸に打ちつける心地よい水の音。

爽やかな草の匂い。

吹き抜ける涼しげな風。


いつきてもだれもいなくて、外で本を読むとなるといつもここへくる。


「いいところだね」

「そうなんです。とくにこの時期は、日陰で常に風も流れてて」

「ほんとだね」


振り返ると、女の人は目をつむり鼻から大きく息を吸い込みここに取り巻く自然を体で感じていた。


「風、気持ちいいね」


ふわりと風に舞い上げられそうになったセミロングの髪を耳にかけ、女の人が笑う。

その姿は、まるで小説の1ページに出てきそうだった。