「だったら…」
僕はそうつぶやくと、白色のカバーの文庫本を差し出した。
「…え?」
「これは、あなたのものです」
キョトンとして文庫本を見つめる女の人。
「僕が青の書、あなたが白の書。こうするのが一番得策かと思うのですが」
「でもこれって、2冊で1つのお話だよ?」
それはわかっている。
青の書が主人公目線、白の書がヒロイン目線で描かれている。
どちらか1つを読めばいいというわけではなく、どちらも必要なのだ。
だけど、この人は探し求めてようやく見つけ出したこれをみすみす手放すこととなる。
僕に譲ったばっかりに。
それは、どう考えてもおかしい。
この文庫本をどうしても手にしたいと思う気持ちはすごくわかるから。
でも、ここには1セット分しかない。
それなら、青の書、白の書を分けてそれぞれで購入するほうがどちらにとってもいいのではないだろうか。
僕はそうつぶやくと、白色のカバーの文庫本を差し出した。
「…え?」
「これは、あなたのものです」
キョトンとして文庫本を見つめる女の人。
「僕が青の書、あなたが白の書。こうするのが一番得策かと思うのですが」
「でもこれって、2冊で1つのお話だよ?」
それはわかっている。
青の書が主人公目線、白の書がヒロイン目線で描かれている。
どちらか1つを読めばいいというわけではなく、どちらも必要なのだ。
だけど、この人は探し求めてようやく見つけ出したこれをみすみす手放すこととなる。
僕に譲ったばっかりに。
それは、どう考えてもおかしい。
この文庫本をどうしても手にしたいと思う気持ちはすごくわかるから。
でも、ここには1セット分しかない。
それなら、青の書、白の書を分けてそれぞれで購入するほうがどちらにとってもいいのではないだろうか。