2話
翌朝。ラウは予定通りベハマ村を出発した。ラウはグローに目的地を説明する。
「今回の探索場所はAランクの危険区にあるダンジョン『メオの城』だ。ヨシュロウはそこで亡くなった。魔王が消滅しても、メオの城周辺の魔物は活動している。戦闘しながら探索することになるだろう。グロー、聞いているのか?」
グローの影がもぞもぞ動いている。ラウが引っ張り上げる。ミウだった。
「ミウがどうしても付いていきたいと言ったからのう。ワレと契約したったわ」
ヨシュロウを見つけるまで、グローとミウは離れられない。ラウは契約破棄させようとグローを締め上げたが最後には諦めた。
「いいだろう。連れて行ってやる。だが絶対にグローの影から出るな。それが条件だ」
2人と1匹の旅が始まった。メオの塔を目指して進む道中、魔物の群れに襲われたが、ラウが勇者の剣を振るって撃退した。強い。ミウは驚くもグローにとっては当たり前の光景だった。
ラウは本当に勇者なのかもしれない。ミウは戦いを身近で見てそう思ったのだった。
夜、野営中にミウは山菜のミソスープを作った。ラウは目の色を変えて食べる。グローは山菜のミソスープが気に入って、何度もお代わりをした。余った分は影の中にしまう。
「ホタルおばあちゃん直伝の味だよ。ホヨタ食堂創業当時からある人気メニューなんだ」
ミウは嬉しそうに山菜のミソスープを注ぐ。ラウはぼそっと呟いた。
「ヨシュロウも食べたことあるんだろうか」
勇者ヨシュロウもホタルもベハマ村出身だ。魔王討伐に赴く前に、山菜のミソスープを食べたのか、ラウは気にしていた。ミウは首を振る。
「ホヨタ食堂ができたのは、魔王討伐が終わったあとだって。ホタルおばあちゃんから聞いたことある」
「そうか。ヨシュロウは最後に何を食べたんだろうな」
ラウの問いは、焚火の淡い光の中に消えて行った。
翌朝。ラウは予定通りベハマ村を出発した。ラウはグローに目的地を説明する。
「今回の探索場所はAランクの危険区にあるダンジョン『メオの城』だ。ヨシュロウはそこで亡くなった。魔王が消滅しても、メオの城周辺の魔物は活動している。戦闘しながら探索することになるだろう。グロー、聞いているのか?」
グローの影がもぞもぞ動いている。ラウが引っ張り上げる。ミウだった。
「ミウがどうしても付いていきたいと言ったからのう。ワレと契約したったわ」
ヨシュロウを見つけるまで、グローとミウは離れられない。ラウは契約破棄させようとグローを締め上げたが最後には諦めた。
「いいだろう。連れて行ってやる。だが絶対にグローの影から出るな。それが条件だ」
2人と1匹の旅が始まった。メオの塔を目指して進む道中、魔物の群れに襲われたが、ラウが勇者の剣を振るって撃退した。強い。ミウは驚くもグローにとっては当たり前の光景だった。
ラウは本当に勇者なのかもしれない。ミウは戦いを身近で見てそう思ったのだった。
夜、野営中にミウは山菜のミソスープを作った。ラウは目の色を変えて食べる。グローは山菜のミソスープが気に入って、何度もお代わりをした。余った分は影の中にしまう。
「ホタルおばあちゃん直伝の味だよ。ホヨタ食堂創業当時からある人気メニューなんだ」
ミウは嬉しそうに山菜のミソスープを注ぐ。ラウはぼそっと呟いた。
「ヨシュロウも食べたことあるんだろうか」
勇者ヨシュロウもホタルもベハマ村出身だ。魔王討伐に赴く前に、山菜のミソスープを食べたのか、ラウは気にしていた。ミウは首を振る。
「ホヨタ食堂ができたのは、魔王討伐が終わったあとだって。ホタルおばあちゃんから聞いたことある」
「そうか。ヨシュロウは最後に何を食べたんだろうな」
ラウの問いは、焚火の淡い光の中に消えて行った。