第59回キャラクター短編小説コンテスト『終電を逃した夜のできごと』応募用作品。

結局このテーマで5作書きました。
このお話は昨年テーマの「ワンナイトラブストーリー」の際に一番最初に浮かんだ「女子高生とミュージシャンの話」を一年間悩みながらこねくり回してこねくり回して、それでもしっくりこなかったものを、腹を括って完結させました。(まだまだしっくりきていない)
もともと終電を逃す予定のお話でした。

最初は『アリとキリギリス』の設定はなくて、途中でヒロインを予備校生にした際に追加した設定だったなーとだいぶ書いてから思い出しました。
夏期講習で「夏の間になまけるな!」みたいな塾講師の言葉として入れようとしていたんだったなーと思い出して、そこから考えるとちょっと無理矢理かつ説教くさい設定になってしまったかなと思っています。

昨年は10,000字が推奨上限だったので設定ももう少しあっさり目で上限に収まりそうな内容でしたが、彼氏とか毒親気味のお母さんとか入れ始めたら盛り盛りすぎて、多分3万字くらいでちょうど良いかなと思います。
恋愛の心理描写がどうしても一晩での進展として納得いかなくて、ほぼ恋愛なし…字数が倍あれば、多分もうちょっと恋愛色強くても自然だったと思います。
短くて恋愛なしでも良いですが。(むしろその方が良さそう)

主役二人の名前は
安東(あんどう)→アント(アリ)
ちなみに最初は在原(ありはら)にしようかと思っていた。まんますぎてやめました。
桐谷(きりたに)→キリギリス
ですが
安東七星でナナホシテントウ
桐谷立羽(出てこなかったけど)でタテハチョウ
の、二つの虫の名前が入るようにしました。

そういえばワンナイトのときは各作品のヒロインの名前を全部「ナナセ」にしようと思っていた謎の期間なので、『苦くて甘くて〜』のヒロインの七晴と名前被ってます。

〝桐谷がtaTeHaかも〟って勘づく身体的な特徴で、朝になるからわかることってなんだろう?と考えて、やんわりオッドアイの設定にしてみました。
俳優さんとかでオッドアイの方がいるので一応現実的な設定です。
噂のうちのひとつは本当…みたいなの、好きです。

最初はアーティスト名はチョウチョ由来でTeH(テフ)(チョウチョは古文だとてふてふだから)にしていて、歌い手とかP的な人っぽいかな〜と思っていたのですが、ダサいなぁって思い続けて結局変えてしまいました。(一年前の自分ごめんね)
『Snowy Night』の二人の好きなアーティストもTeHでしたが、この作品に合わせて修正しました。
真ん中にTeHが残ってるのがいいと思ってます。

.・*☆・*・

今回本当に受賞しないんだろうな〜と思っているのですが…
『終電を逃した夜のできごと』で複数作書くにあたり、自分の中の禁止&縛り事項として意識していたことがあります。

・ヒロインの彼氏に浮気をさせない(&ヒロインに目撃させない)
・冒頭で去って行く電車を見送らない
・カフェものは書かない
・電車や駅にはあまり固執しない。終電を逃したことで広がる時間をメインに書く
・複数書くなら、読後感はすべて変える
あとは個人的に、映画館禁止(『ナイト・フィクション』で書いてしまったので)と、年下男子を書きすぎないようにしていました。

応募が多そうなときは被らないものを書きたい派です。
テーマが狭いときはそれだけで審査員も食傷気味になりそうだと思うのと、誰かが書くならあえてわたしが書かなくてもいいかな〜と思ってしまうので。
逆に、他の応募者と被りそうな要素を組み合わせて書いたら王道ストレートな感じのものが書けるとも思うので、王道が求められていそうな時は書くのもありだと思います。

5作品すべて違う読後感になっているとうれしいなぁ…


※こちらの作品は最終選考作品でした。
(今回は最終選考が後追いで発表でした)
5作出して1作受賞、1作最終選考。
最初の作品が受賞したので1作だけでよかったのか…と思ったけど、最後のもひっかかってくれたなら5作書いた意味もあるかな。
私の推しは間の3作だったんですけど。笑