「えっ?」

 「あの⋯⋯この花束を」


 ⋯⋯凄い。綺麗な、お花。

 ⋯⋯なんだろう、これ。

 色々なお花を見てきたけれど⋯⋯これは⋯⋯ええと、なんだっけ。

 見た事はあるんだけど、思い出せないわ。


 「この⋯⋯アルメリアの花言葉、知っていますか?」

 「あっ」


 そうだ、アルメリアだ。

 色鮮やかなピンク色のお花が沢山集まって1つのお花である、アルメリア。

 ⋯⋯花言葉は、確か。


 「思いやり、共感、愛らしさ⋯⋯とかよね?」

 「ええ、はい。確かにそちらが主な花言葉ですね」


 ⋯⋯? 他に、あるの?

 確かに、この場面で花言葉を聞くということは、何か特別な意味があるのか、とは思ったけど。

 ⋯⋯思いつかなかったわよ?


 「⋯⋯これは、『おもてなし』という意味もあるんですよ」


 ほんとは『歓迎』が良かったんですけど、手配が間に合わなくて、と苦笑される。


 「まって⋯⋯晃っ!」

 「はい、?」

 「⋯⋯どれだけ私を泣かせれば気が済むのよっ」


 ええ、と困惑している。

 ⋯⋯仕方ないわよね、それは。

 だって、これは八つ当たりだもの。

 でも⋯⋯でも⋯⋯嬉しすぎて、仕方ないじゃないの。