⋯⋯え?? どうしたの?


 「大丈夫だよ、妃彩ちゃん」


 え? 咲羅? どういうことなの、?


 「───⋯⋯ようこそ、我が家⋯⋯へ」

 「えっ?」


 困惑していたら、ゆながそう言って、ショートケーキを私に差し出した。


 「⋯⋯ありがとう⋯⋯っ、ありがとう、!」


 多分、これは私への⋯⋯お引越しの、お祝い。


 「わ、私は料理無理なので作ってませんけどね。かなにお礼を。⋯⋯あ、企画したのは雅也様達ですので、そちらにも」


 そう、なの?


 「皆さん、ありがとうございます。本当に、嬉しいわ」


 私はいつの間にか溢れてしまっていた涙を拭いながら、返す。


 「⋯⋯妃彩ちゃん、泣かないで⋯⋯。ほら、嬉しいなら笑顔っ!」

 「そうですよ、妃彩様。俺は笑顔が見たいです」

 「妃彩、どういたしまして、だね。ほら、笑って」


 っ⋯⋯。
 こんなにも、人の優しさに触れたのは、いつぶり? いや、初めて、かもしれないわね。

 ⋯⋯お母様。これから、私はこの人達と生きてゆきます。