連れて戻ってきたのは、結構すぐ。

 え、速過ぎない⋯⋯?


 「妃彩。ねえ、この家に来て良かったと思う?」


 唐突にどうしたのだろうか。

 雅也さんと婚約したから、彼は心配してるってことかしら?

 いや、それしかないわよね。


 「ええ。みんな良い人だし、良かったわ」


 それは良かった、と返される。


 「⋯⋯妃彩様」

 「どうしたの?」

 「⋯⋯」


 ⋯⋯? 晃の様子がおかしい。


 「⋯⋯妃彩ちゃんに構って貰えなくて寂しいみたい⋯⋯」


 え、そうなの? と返す暇も無いくらいのタイミングで咲羅が、


 「⋯⋯ぷぷっ、晃兄さんかわい」


 そう付け足したから、真っ赤な晃と笑ってる咲羅が喧嘩を始めた。


 全く⋯⋯この2人は⋯⋯。喧嘩するほど仲が良い、っていうやつ、よね?


 ⋯⋯ていうかさっきの。晃って寂しがり屋?


 「可愛い⋯⋯」

 「だね⋯⋯ふふっ」


 「ちょっ、兄様!? 妃彩様!? 2人でも許しませんよ!?!?」


 思わずそんなことを呟いたら、同調した雅也さんも一緒に、珍しく声を荒らげた晃に怒られてしまった。



 その後、声を荒らげたからだろうけど⋯⋯飛んできたゆな。


 「どうされましたかっ?!」

 「あ、いや、なんでもないわ⋯⋯ごめんなさいね」


 流石に申し訳ないわ⋯⋯。あの後はゆなと一緒に家事をしてたんだけど⋯⋯私は今追い出されているわ。


 なんでだろう?