⋯⋯はあ。部屋で一息つく。

 やっぱり2人って、よく喧嘩するのかしら⋯⋯?

 双子って、仲良いイメージがあったけれど⋯⋯違うのね。
 あ、でも、よく考えたら私と妃海も、仲良くないわ⋯⋯。


 お部屋⋯⋯うん、確かに咲羅の部屋よりも凄いわ⋯⋯。

 豪華すぎない⋯⋯!?

 当たり前かのように芸術品が何個も置いてあって、この洋風なお屋敷に合う、豪華なドライフラワーも飾ってある。

 これは⋯⋯オレンジの⋯⋯スプレー薔薇⋯⋯かしら? 発色が凄く綺麗⋯⋯。


 お部屋を見て回っていると、ドアをノックされた。


 「はい」


 咲羅か。


 「あ、妃彩ちゃん。おっじゃましまーす」


 あ、やっぱ凄いね、と言われるけれど、私は苦笑いしか出来ないのよ⋯⋯。


 「兄さんたちも来たいって言ってたけど⋯⋯連れてくる?」


 え?


 「んと⋯⋯ど、どっちでも?」


 咲羅が嫌なら大丈夫だし⋯⋯。
 私は別にあとで話せばいいし⋯⋯。


 「⋯⋯じゃ、連れてくるっ!」


 えっ、あっ、連れてくるのね⋯⋯?

 ⋯⋯相変わらず咲羅はすぐどっか行ってしまうなあと思う。

 もう、走ってどこかへ行って見えないもの。