「⋯⋯妃彩様」

 「今からおやつを作ろうと思うのですが、手伝ってもらえるでしょうか?」

 「もちろんよ!」


 おやつか⋯⋯何を作るんだろう。


 「って、え?」

 「「どうしましたか?」」


 ⋯⋯いや、え?? 何この厨房⋯⋯。広すぎない?


 「なんでもないわ⋯⋯。何作るの?」

 「クッキーです」


 わ、美味しそう。


 「私は味見係です」


 味見係?


 「ゆなは料理だけが苦手なんです」


 そうなのね。まあ、そういうのもあるだろうし、それは仕方ないわ。

 私は得意だからサポートできるかしら⋯⋯?


 「じゃあ、作りながら話でもしますか?」

 「そうね」


 話しているとき、私は2人がとても似ているけれど、全く似ていないと、そう直感的に思った。

 もしかしたら姉妹喧嘩とかよくしてるのかもなあ、と思ったけれど、そんな様子無いし⋯⋯姉妹間なら私が干渉することでもないか、と思い、この思考をやめる。


 ⋯⋯でも、この勘は当たることになる───。