「妃彩ちゃんが来た時のためにこれ作ったの。あげる」


 咲羅の手の上にあるのは、綺麗なネックレス。手作りなの⋯⋯? 凄すぎるわ。でも⋯⋯。


 「私なんかに⋯⋯? いいの?」

 「もちろん! それに、あげるのは妃彩ちゃんだから!」

 「っ、ありがとう⋯⋯」


 こんな心のこもったプレゼント⋯⋯初めて貰ったわ⋯⋯。


 「ふふっ、私が1番最初にあげたんだ。晃兄さんにも雅也兄さんにも買っちゃった〜、自慢しよ」


 ⋯⋯? 咲羅は、いつも私の心を読んだかのような発言をする。まあ、この世界、魔法とか色々あるし⋯⋯不思議では無いのかしらね。


 「⋯⋯」


 「妃彩様、咲羅様。雅也様と晃様がお呼びです」


 さっきの使用人さん⋯⋯。


 「分かった、行く」

 「妃彩様、はじめまして。水谷かなと申します。皆様が揃いましたら改めてご挨拶させて頂きますね」

 「はじめまして⋯⋯!」


 ⋯⋯よかった。拒絶は見えない。