「わあっ、なにこれ、凄いわね⋯⋯」


 お家の中にも高そうな芸術品が沢山⋯⋯。


 「あ〜、これね、贋作じゃないんだって!! 凄いよね」

 「⋯⋯え? 本物?」


 確かにそうかな、とは思ったけれど⋯⋯え、あ、これ、世界的に有名な絵画よ⋯⋯? いくらするの⋯⋯? ⋯⋯か、考えたくないっ。

 多分他の作品も同じくらい高価だろうから⋯⋯絶対に壊してはいけないと、心に誓う。


 「ここにね〜、数年前まで住んでたから私の部屋あるんだっ。来てきて〜」


 頷いてついて行く。
 咲羅の部屋かあ。凄くガーリーな部屋そう。わからないけれど。


 「はいっ、ここ!」

 「⋯⋯ぇ?」


 ん⋯⋯と、え??


 「ここ⋯⋯?」

 「うん、そうだよ?」


 ⋯⋯椎名妃彩、よくわかりました。この方々とは感覚が合いません⋯⋯!!
 こんな、世界遺産みたいなのが自室!? 信じられないっ。


 「私が美術品好きだから⋯⋯雅也兄さんに言って、多めに飾ってもらってるだけだよ?」

 「⋯⋯うん」


 美術品も凄いけどね⋯⋯どの部屋にもシャンデリアがあるのがおかしいの。それに、ヨーロッパのようなインテリア、キングサイズの天蓋付きベッド⋯⋯全部おかしいのっ!


 「⋯⋯まあ、妃彩ちゃんの部屋はね、ここより凄いと思う」

 「えっ」

 「そりゃあ婚約者だからね」


 ⋯⋯恐るべし、王家。