そして、私は王家で暮らすことになった。
 ただ、王城ではなく、王家御用達の別荘⋯⋯今は雅也さんが使われている別荘、で暮らす。


 「え⋯⋯」


 最初見た時は、大きすぎて、これが別荘? となった。だって、これ、椎名家の本家よりも大きいもの⋯⋯。
 王城も信じられないほど大きかったけど。⋯⋯流石、歴代の王家の方々が使われている別荘ね⋯⋯。


 「どうしたの?」


 平然としている雅也さんを見た時は苦笑いしかできなかったわね⋯⋯あはは。
 でも、ここで暮らしているなら普通かも⋯⋯? い、いや、信じられないなっ。


 「⋯⋯妃彩ちゃーん!!!
 えへへっ、私もここで暮らしてるんだ〜」

 「そうなの⋯⋯!?!? よろしくね」


 咲羅も、晃もいるなんて、安心だわ⋯⋯!

 でも⋯⋯心配なことがひとつある。
 それは⋯⋯ここの人達に、受け入れられるか、ということ。


 「⋯⋯妃彩ちゃん、大丈夫。そんな無意味な差別、ここの人はしない」


 え?


 「っ、いや、心配なのかな〜と思ってさっ」


 ⋯⋯だよね。心を読まれたかと思ったけど、確かにそれは結構思うのかもしれないし。


 「もし、そんな事があったら、俺に言ってね。無いとは思うんだけど」

 「いえ。兄さんではなく、私に言ってください」


 ん、え、ここもバチバチしてる⋯⋯?


 「晃はそこまで権限が無いでしょう? 今のここの責任者は、俺だからね」

 「俺もまあまあ権限あるけど? 兄さんに問い詰められたら怖すぎるだろ。俺の方がいい」


 ⋯⋯やっぱり、このメンバー、前途多難みたいです⋯⋯!