「……妃彩様!」

 「……楓さん、雅哉、遅れた〜、ごめんっ」


 ここで、晃と咲羅が合流。


 「久しぶりだな」

 「そうですね」

 「だね」


 ……懐かしむような楓様のお顔。そして、晃が、いつもよりも穏やかな顔をしている。


 「なんかー、良いムードだったんだけどっ。
 妃彩ちゃんと1番仲良いの、私だからね?」

 「いや、俺ですね」


 あ、晃⋯⋯? なんでそんなに火花散らしてるの⋯⋯?
 そして、どうして御二方はニコニコ見守ってるの! 今から喧嘩始まりそうなんですけど!?


 「仲良いねえ」


 雅也さん!? え!? どこがっ!


 「そうだな⋯⋯」


 楓様まで??


 「喧嘩するほど仲がいいって言うからね」


 ああ、なるほど。でも、一髪触発な雰囲気漂ってるよ⋯⋯??
 これが仲がいいからか、私には分からないですっ。

 悩んでいると、声をかけられた。


 「⋯⋯妃彩様」


 どうしたの、と返事する。


 「兄さん達と、大丈夫だったでしょう? 雅也様⋯⋯も、楓様も、妃彩様を信頼しております」

 「ふふっ、うん、伝わったわ。
 皆さん、本当にありがとうございます」

 「妃彩ちゃん、優しすぎるっ。⋯⋯晃兄さんには渡さない」

 「は?」


 ⋯⋯ま、また喧嘩はじめそうだけど、それも仲良いのかな⋯⋯? う、うん、きっとそうだ。


 「妃彩は凄いな⋯⋯こんな手懐けて」


 え? 手懐ける?


 「まあ、これからも仲良くしてくれ」

 「はいっ」


 そして、初顔合わせは、なんとか上手く終わった⋯⋯───。