「……そういえば、私は妃彩の妹の……妃海? に求婚されているのだが、妃彩からしたらどう思う」


 え?


 「えと、私が口を挟む事ではないかと……」

 「わかった。では、私が妃彩の意見を求めている。これは、命令ではないが、命令のようなものだ」


 ……そんなことを言われたら、言うしかないじゃない。

 というか……妃海に求婚されていて私に意見を求めるとは、なぜですか……!? どう思うって……お二人共幸せになれれば良いと思うけれど……これって姉としてよね? なんて答えればいいの? ああ、もう……!


 「……私は、楓様に、妃海と会って頂きたいです。その後、ご自分でどうなさるかお考え頂ければ……と」

 「確かにそうだ。
 ……妃彩は賢明だな」

 「え!? いえ、それほどでもありません」

 「いやいや、妃彩は頭良いでしょ」


 っ、え。ちょ、雅哉さん……!?


 「きっと、とても頑張ったんだろう」

 「そうだね」


 ……ぇ。
 私は、今まで誰にも見てもらえなかった。今まで、誰にも、努力を認められなかった。
 私には魔力が無いから、勉強とかでしか秀でる所がない。だから、死ぬ気で頑張った。でも……あしらわれた。
 こんな、認めてもらえるなんて、思わなかった。