全く視線を合わせないのも気になるけれど……やっぱり内容が気になるわ。


 『大丈夫』『任せられる』……そんなわけ、ないでしょう?
 調べたのなら……王家なら……脅威だってこと(こんなこと)、わかっているでしょうに……。
 なんで……?


 「……」


 「……お前は、優しいな」


 「っ、え?」


 なんで、そんな、羨望の瞳を私なんかに向けられているの……? 優しくなんて、ないのに……。


 「普通、金目当て、地位目当て、だろう?」


 え……そう、なの……?


 「なのに、そんな目当てもなく雅哉に良くしている。
 そんなの、認めるしかないだろう。
 脅威だろうと関係ない」


 っ……。


 「……兄様、認めてくれてありがとう」


 「あっ、ありがとうございます……っ」


 認められるなんて無理だと思った。
 でも……私は、認められた。なぜか、はまだ少し曖昧なままだれどもね。
 わからない、けれど私は、今のまま、雅哉さんと仲良くしていたい。それは、事実。


 だから、これでいいと思った。



 ……まあ、そう思わない人もいるでしょうけど……ね。……脅威と王家かあ……。反乱とか……流石にないか。


 ……反乱は、そう遠くないうちにやってくる。でも、これはまだ、知らなくて良い話───。