だって、晃は、明るくて、元気。まるで正反対だったなんて……。
 というか、雅哉さん、これ……勝手に話して良かったのかしら……。晃の許可とかは、大丈夫なの、?


 「妃彩ちゃん、雅哉、遅れてごめんなさい。晃っていうお馬鹿さんのせいで」

 「はあ?」

 そ、そりゃあそういう反応になるよね……っ。咲羅、どうしたいの。


 「事実。責任転嫁しない」

 「……」

 「じゃあ、兄様のところへ向かおう……!」


 そうだ、皇太子様のところへ向かうために集まったんだった……! 忘れてた。


 「妃彩は、兄様に会うの初めてかな?」

 「ええ、そうよ」


 ……まあ、転生者かもしれないんだし、ね。本当は、この先も会えるはずなんてなかったのに……本当、何があるのかわからないものね。


 「……──しゃ……?」


 ……? 咲羅、どうかしたの……? 何か小声で呟いたけれども、聴こえなかったわ。


 「なんでもないよっ。えっと、兄様、お優しいから大丈夫だと思うよ、多分」


 その『多分』が恐ろしかったけれど……私は小さいけれど、確実に大きな一歩を踏み出した。