「……あ、えと、皆さん遅れてすみません」

 「大丈夫ですよ」

 「妃彩ちゃんも晃兄さんもいらっしゃる……」


 晃兄さん……そう呼ばれているのね。兄代わり。そう晃も言っていたし、きっととても仲が良いのでしょう。


 「うん」


 『うん』……?? 話の流れって、え……?


 「あっ、あの、妃彩ちゃんって呼んでいいですか?」

 「もちろん。全然タメ口でいいわよ」


 ……お友達に、なりたいし。


 「あっ、ありがとうございますっ!」


 ふふっ、敬語じゃないの。まあ、いいけれどね。なんだか……こういうの初めてだから、嬉しいなあ。


 「妃彩ちゃん、私のことは、えーと……」


 咲羅さんのことをなんて呼ぶのか、かしら?


 「咲羅か咲羅ちゃんでっ。もちろん他でも良いけど……!」


 じゃ、じゃあ咲羅って呼ぼうかな? 呼び捨て……お友達みたい。
 晃は立場が……違うから、お友達とは違うのかも、ね。
 ……いや、晃言っていたじゃない。私のことが嫌いだ、って。なんで……お友達だと、一瞬。そう、本当に一瞬だけど、勘違いしてしまったのかしらね。

 ……馬鹿みたい、私。