「……失礼します」


　茉奈様……と仲が良かったなんて……。


　「晃？」


　え、あ、ここにいたの？　いや、別に探してたとかいうわけでもないけど……ちょっと見当たらないなあとは思ってたけど……。


　「勝手な行動、申し訳ございません」

　「え？　いや、大丈夫よ。考えあってのことでしょう？」


　頷いている。


　「なら、いいわよ」


　別に、それがいいと思えば……突き通したら良いんじゃない？


　「妃彩ちゃん……ちょっとごめんね。
　……雅哉くん。あの人は……きちんと、反省した？」

　「……きっと、してますよ。まあ、また妃彩にあんなことをしたら次こそ許しませんが」


　……え、と……そういうのって本人の前でいう……？　いや、わかんないけど。普通がわかんないけど……。普通言わなくない？


　「……ねえ。……妃彩ちゃん、あなたのお父様のこと……好き？」

　「え」


　あ、私ですかっ？
　……好き……か？　そんなこと聞きます……？　……まあ……好きですよ。そりゃあ。だって、生かさせてくれてるのだから。


　「……うーん、難しいよね。じゃあ……もし、普通の家庭で。あんなお父様だったら……どう？」


　……。