「出てきたの?」「全く、どういう神経してるんだか」「汚い」「生きてるだけで忌み嫌われる存在なのに」


 投げつけられる心無い言葉達。
 ……なんだか……こういうのも久しぶりだなぁ……。だって、ずっと部屋に閉じ籠もっていたから……。


 「……妃彩様……」

 「……大丈夫よ」


 晃は驚いてるけれど……私、産まれてから、ずーっとコレだから……大丈夫なのよ? もう、慣れちゃった。


 「……ダイニングに行きましょう」


 晃が返事したのを聞いて歩きだす。


 「……ダイニングですって? お嬢様が……」

 使用人の……川上(かわかみ)さんが言った事に驚く。


 ……なんで、妃海……? いる、の……? でも、会わない約束、だし……。会いたくないだろうし……。何より、お父様が許さない、でしょう? なのに、なんで、お父様はダイニングで食べろ、と……。どうして……。
 ……考えても仕方ないわ。急いでダイニングへ向かう。


 「……あちらがお嬢様ですか?」

 「ええ、そうよ」


 ……やはり、妃海が……妃海様がいたわ。