次会うときは……私達、仲良くなれてる? なんて、聞かないけれど。私は、仲良くしたいよ、妃海。
 ……去っていく妃海の背中にそう、心のなかで語りかける。


 ───また、会いましょう。


 「……妃彩ちゃん」


 茉奈様。


 「……いえ、妃彩様。この度はご婚約、おめでとうございます」

 「そ、そんな改まった……。……ありがとうございます」

 「今まで……ごめんなさいね」


 え、いや、これが私の普通で、魔女かもしれない私は仕方ないことですよ……? だから、謝られることは無いと思うんですけど……。


 「……全て、謝りたいわ。でも……一番は、去年の夏の、あの日のこと。……本当にごめんなさい。
 私は、救えた、庇えたはずなのに……。ごめんなさい」


 あの日、か……。
 ……。


 「……妃彩様!」

 「ごめんなさい、茉奈様。行きますわ。
 それに……私は、もう、大丈夫、ですので。大丈夫です」


 そう、思うことにして、私は晃のもとへと駆けていく。